
「日本経済新聞」の報道によると、ホンダは電気自動車(EV)に内燃機関車のようなエンジン音や振動を再現する技術を導入すると発表した。この機能は、2026年に国内外で発売予定の小型EV「スーパー・ワン」に初めて搭載される予定である。
ホンダは昨年10月の「ジャパンモビリティショー2025」で、「スーパー・ワン」のコンセプトモデルを初公開した。同車は軽EV「N-ONEe:」をベースに開発されており、「BOOSTモード」と呼ばれる新機能が最大の特徴となっている。
「BOOSTモード」では、マニュアルトランスミッション(MT)車特有のエンジン音や振動を人工的に再現する。変速機を持たないEVでありながら、アクセルペダルを踏み込むと加速に応じて自動的にギアが切り替わるかのような音や振動を発生させる。さらに、ドライバーはステアリング背面のスイッチを操作することで、擬似的なマニュアル変速も体験できる仕組みである。
栃木県にあるホンダのテストコースで行われた試乗会で、記者が実車で検証したところ、専用のボタンを押してブーストモードを作動させると、停車状態でも加速時の低いエンジン音が車内に響いた。時速100キロメートルまで加速する間に、何度もギアチェンジの音と振動を感じることができたという。
開発責任者の堀田英智氏は「電気自動車は無機質になりがちである。どこか懐かしさを感じる感覚に親しんでもらいたかった」と開発の背景を語る。「EVはモーター性能がすべてであり、加速や走行特性が似通ってしまう。何か楽しい味付けができないかというのが、スーパー・ワン開発の出発点であった」と指摘した。
ホンダはF1参戦などを通じてエンジンメーカーとしての強いブランドイメージを持つ。こうしたホンダならではの個性を前面に出し、EV普及が遅れている日本市場で購入意欲を刺激したい考えである。
「スーパー・ワン」は国内にとどまらず、世界市場への展開も予定されている。急激なインフレや性能向上による車両価格の上昇が続く中、日本が強みとする低価格の小型車に対する世界的な需要が高まっている。堀田氏は「『なんだか面白いクルマだ』『一度乗ってみたい』と思ってもらえたらうれしい。この味付けはEV商品の幅を広げる挑戦になる」と言及した。
一方で、エンジン音再現機能の魅力を消費者にどう伝えるかが課題として残る。音は実際に体験しなければ良さが伝わりにくいため、ホンダはEV時代における新たなマーケティング戦略も模索する必要があると、同紙は報じている。













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