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大洪水被災地でスペイン国王に泥投げ!住民の怒りに国王が応えたメッセージとは

佐藤美穂 アクセス  

スペインのフェリペ6世国王とサンチェス首相が大洪水の被災地を視察した際、激怒した被災者らから罵声を浴び、泥を投げつけられる事態となった。

海外メディアの報道によると、フェリペ国王は今回の水害で少なくとも62人が犠牲になったバレンシア州パイポルタを、レティシア王妃、サンチェス首相、バレンシア州のマソン知事と共に訪れた。

怒りに任せた住民らは、被災地を視察中のフェリペ国王とサンチェス首相の一行を取り囲み、泥や汚物を投げつけ、「人殺し」「恥さらし」「出て行け」などの罵声を浴びせた。

ネット上では、ある若者が国王に対し、今回の水害対応は「恥ずべきこと」だと訴える映像が拡散。映像には、マソン知事の辞任を求めたり、「サンチェス首相はどこにいる」と詰め寄る人々の姿も映っていた。

警護官らが急遽傘を差し出して守ろうとしたものの、フェリペ国王とレティシア王妃は顔や衣服に泥を浴びる事態となった。

AFP通信などによると、フェリペ国王は他の随行者より長く滞在し、住民らを慰めようとする場面も見られたが、予定より早く切り上げざるを得なくなったという。パイポルタに続いて予定されていた他の被災地への視察も中止となった。

スペイン王室は国民との距離の近さを重視しており、国王に物を投げつけたり罵声を浴びせたりする事態は極めて異例とされる。

フェリペ国王はその後、SNSで動画メッセージを発表し、「被災者らの怒りと絶望を理解しなければならない」と述べ、「被災者らに国家が健全であるという希望と保証を与えるべきだ」と語った。

スペイン国営放送RTVEは、この日群衆が投げたものには石や硬い物体が含まれており、警護にあたっていた警官2人が負傷し治療を受けたと報じた。

またサンチェス首相の車両の窓も破損したという。

サンチェス首相はその後、被災者らの苦悩と痛みに理解を示しつつも、「いかなる形態の暴力も」非難する姿勢を示した。

住民らが国王と政府にこれほどの怒りを示したのは、今回の水害における当局の不適切な対応が被害を拡大させたとの認識が広がっているためだ。

スペインでは先月29日に襲った集中豪雨により、3日時点で少なくとも217人の死亡が確認された。数十人が依然行方不明で、約3000世帯で停電が続いている。

スペイン気象庁が豪雨による「赤色警報」を発令してから住民への緊急速報メール配信まで10時間以上かかるなど、当局の対応の遅れが人的被害を拡大させ、その後の捜索・復旧作業も遅延しているとの批判が強まっている。

サンチェス首相は2日の記者会見で、軍人と警察官1万人を被災地に追加派遣すると表明。これにより、軍人7500人と警察官9000人以上が生存者の捜索や遺体収容などにあたることになる。

サンチェス首相は「われわれの対応が不十分だったとの声を承知している。深刻な問題と支援の不足があり、切実に親族を捜したり、自宅に戻れない人々がいる村があることも認識している」と述べた。

首相は今後の災害対応について「過失を精査し、責任の所在を明らかにする」としながらも、「今は対立を忘れ、イデオロギーや地域的問題を脇に置き、対応に団結すべき時だ」と呼びかけた。

被災地は中央政府に対し、行方不明者の捜索と救援・復旧作業の支援を要請している。

パイポルタ市長のアルバラート氏は欧州通信社の取材に対し、一部地域はなお立ち入りができない状況だとした上で、「車内に遺体があり、これを収容しなければならない」と語った。

佐藤美穂
editor@kangnamtimes.com

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