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EU史上初、加盟国への1700億円支援を完全拒否…「独裁化」と汚職疑惑のハンガリー、予算への報復も示唆

有馬侑之介 アクセス  

引用:ニュース1
引用:ニュース1

欧州連合(EU)は、加盟国ハンガリーに対し、汚職などを理由に10億4,000万ユーロ(約1,700億円)の支援支援を拒否した。EUが加盟国への支援金を拒否したのは初めてのことだ。

AFP通信によると、EU委員会は先月31日、凍結状態にあるハンガリーへの資金支援、総額190億ユーロ(約3兆950億円)の第1弾となる10億4,000万ユーロが2024年をもって失効したと発表した。これにより、ハンガリーはこの資金を受け取れなくなる。

EUは2022年から、公共調達における管理・透明性の欠如や規則違反の疑いで、ハンガリーに対する条件付きの資金支援手続きを進めてきた。ハンガリーは、一部の改革措置を実施したものの、依然として190億ユーロが凍結されたままだ。

昨年7月、EU委員会はハンガリーが汚職、政治資金調達、利益相反、メディアの独立性などでEUの民主的な基準を満たしていないとする報告書を発表した。2018年9月には、ハンガリーが法の支配を著しく侵害したとして、EU加盟国に対する制裁手続きである「第7条」の対象となった。この手続きの対象となった加盟国は、EU理事会で投票権停止になり得る。

これに対し、ハンガリーのオルバン・ビクトル首相は「彼らはさまざまな手段と方法で、ハンガリー国民の金を奪おうと絶え間なく努力している」と批判。さらにEUの予算案に拒否権を行使すると警告した。EU予算の可決には加盟国の全会一致が必要で、ハンガリーが拒否権を行使すれば予算案は通過しない。実際、2023年にハンガリーは、27加盟国中唯一の拒否権行使により、ウクライナへの500億ユーロ(約8兆1,500億円)の予算支援を頓挫させた経緯がある。

右派のオルバン首相は2010年の政権掌握以来、他のEU加盟国や米国などからロシアに傾倒しているとの批判や、独裁的だとの指摘を受けてきた。彼は親族や支持者に利権を与えたとの疑惑も持たれており、難民を「毒」と呼ぶなど強硬な反移民政策を展開してきた。

オルバン首相は経済成長率が、年平均4%に達するなどの経済的成果を主要な実績として掲げている。しかし、最近の景気後退により政治的圧力にさらされており、最新の世論調査では与党支持率が野党に劣るなど苦戦を強いられている。野党は「時間がない」として、2026年春に予定されている総選挙の前倒しを主張している。

有馬侑之介
arimay@kangnamtimesjp.com

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