メインメニューへスキップ(上段) メインコンテンツへスキップ メインメニューへスキップ(下段)

米LA山火事の「見えない恐怖」…煙による健康被害は数十年続く可能性、専門家が警告する有害物質カクテルの実態

竹内智子 アクセス  

引用:ウィキメディア
引用:ウィキメディア

アメリカ史上最悪の災害の1つと記録される「ロサンゼルス(LA)山火事」は、鎮火後も長期間にわたる影響が予想されている。JPモルガンによると、今回の火災による経済損失は500億ドル(約7兆7,795億円)に達すると推計され、被害規模はさらに拡大する見通しだ。

経済的被害に加え、公衆衛生にも警鐘が鳴らされている。科学者らは、大規模な火災が引き起こした大量の煙が空気の質を悪化させ、健康に長期的な悪影響を及ぼすと警告している。山火事の煙には、様々な有害物質が含まれている。血液の酸素運搬能力を低下させる一酸化炭素、粘膜を刺激し呼吸困難を引き起こす可能性のある二酸化硫黄、自動車の排気ガスにも含まれる炭化水素などだ。特に、今回のロサンゼルス火災は山火事から始まり都市部に拡大したため、プラスチック、建材、電子機器など様々な物質の燃焼により、重金属、ダイオキシン、フランなどの有害物質も放出された。

実際、11日(現地時間)のニューヨーク・タイムズの報道によると、ロサンゼルスでは1日の死亡率を5~15%まで上昇させるレベルの大気汚染が発生したと報告されている。有害な粒子を吸い込むと、短期的には咳や呼吸困難、吐き気、めまいなどを引き起こし、長期的には肺機能の低下や、心血管疾患、癌発生リスクが高まることが知られている。特に、健康弱者にはより深刻な問題が生じる。肺炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患などを持つ患者は山火事により症状が悪化する可能性がある。また、肺がまだ成熟していない子どもの呼吸器健康にも大きな脅威を与える。

山火事は、胎児の健康にも悪影響を及ぼす。2023年、成均館大学(ソンギュングァン)医学部の研究チームが国際学術誌「疫学と健康」で発表した研究によると、山火事に晒された妊婦が出産した子どもは、相対的に低体重だったという。妊婦が山火事に曝露されると、胎児に十分な酸素が供給されず、発育遅延が起こるとの分析だ。さらに深刻なのは、煙を吸い込んだ場合の健康への長期的な影響が完全には解明されていない点だ。

例えば、炭化水素粒子は血液を通過できるほど微小だが、長期間蓄積された場合に人体に与える影響は不明だ。エディンバラ大学のマーク・ミラー研究員は、ニューヨーク・タイムズに対し「山火事による大気汚染の人体への影響はまだ未知数だが、肝臓、腎臓、脳など体全体に影響を及ぼす可能性が高い」と述べている。

山火事は、発生地域を超えて被害をもたらすという研究結果もある。オーストラリアのモナシュ大学の研究チームが2023年、国際学術誌「ネイチャー」で発表した論文によると、人々が1年間に平均して曝露される超微小粒子の6.1%が山火事によるものであると分析されている。つまり、居住地周辺で山火事が発生していなくても、山火事が発生させた超微小粒子を吸入する可能性があるのだ。気候変動の影響で山火事の頻度や規模が拡大すれば、その煙は地球規模で影響を及ぼす可能性がある。

ロサンゼルス山火事の発火原因として指摘される花火も、大気汚染の主要因の1つとされている。専門家らは、自然災害の発生頻度を減らす気候変動対策を講じると同時に、被害を最小限に抑えるための健康指針、安全指針、文化改善、政策立案などを多角的に整備する必要があると指摘している。

竹内智子
takeuchit@kangnamtimes.jp

コメント0

300

コメント0

[ニュース] ランキング

  • ロシア法廷、2022年の“クリミア大橋爆破”で8人に終身刑…背後では「同意なく利用された」との主張も
  • 「EUのロシア資産活用案が急失速」トランプ政権の介入と金融機関の“没収”警告で実現性がほぼ消滅
  • 南アをG20から外すと宣言したトランプ、国際秩序に新たな火種を投げ込む構図に
  • 「急増から急減へ」――中国工業利益“5.5%減少”が示す内需不振と“構造弱体化”の深刻度
  • あのビル・ゲイツ、不倫・脅迫・悪魔との密会…“清純ぶってた富豪”の化けの皮が完全崩壊
  • 「トランプ、痛いところを突かれた?」老化直撃報道に激怒…NYTへ「もうすぐ潰れる三流紙だ!」

こんな記事も読まれています

  • 「免許もいらないって?」、米国でフライングカーがついに公開飛行
  • 整備工場が絶対に言わない、“見落とすだけで年間数万円消える習慣”
  • トヨタが米国で再値上げに踏み切る、強気の価格戦略は日本市場にも波及するのか
  • 急な冷え込みが招く“静かな危険”、朝の凍結チェックを知らずに壊れる車
  • ロシア法廷、2022年の“クリミア大橋爆破”で8人に終身刑…背後では「同意なく利用された」との主張も
  • 韓国で故意に髪を鍋へ落とした女子学生、返金を狙った手口だった
  • 結婚3年目のイ・スンギ、祝儀で明かす芸能界の意外な人間関係?「妻も認める信頼の絆」
  • 「EUのロシア資産活用案が急失速」トランプ政権の介入と金融機関の“没収”警告で実現性がほぼ消滅

こんな記事も読まれています

  • 「免許もいらないって?」、米国でフライングカーがついに公開飛行
  • 整備工場が絶対に言わない、“見落とすだけで年間数万円消える習慣”
  • トヨタが米国で再値上げに踏み切る、強気の価格戦略は日本市場にも波及するのか
  • 急な冷え込みが招く“静かな危険”、朝の凍結チェックを知らずに壊れる車
  • ロシア法廷、2022年の“クリミア大橋爆破”で8人に終身刑…背後では「同意なく利用された」との主張も
  • 韓国で故意に髪を鍋へ落とした女子学生、返金を狙った手口だった
  • 結婚3年目のイ・スンギ、祝儀で明かす芸能界の意外な人間関係?「妻も認める信頼の絆」
  • 「EUのロシア資産活用案が急失速」トランプ政権の介入と金融機関の“没収”警告で実現性がほぼ消滅

おすすめニュース

  • 1
    H.O.T.チャン・ウヒョク、16歳年下女優との交際を初告白「番組がきっかけで恋愛感情が爆発」

    エンタメ 

  • 2
    「自ら公表したわけではなかった」報道の誤解をすべて説明…46歳での結婚準備と幸せへの覚悟

    エンタメ 

  • 3
    メンバー全員が徹底ダイエット&トレーニング?NOWZのアルバムコンセプトに合わせた体作りのこだわり

    エンタメ 

  • 4
    「妊娠初期でも笑顔で撮影を乗り切った」15年ぶりに共演した女優が明かす『上の階の人たち』撮影秘話

    エンタメ 

  • 5
    OH MY GIRLヒョジョン、即興ダンスも愛嬌も全力♡理想のタイプは「愛嬌を受け止めてくれる人」

    エンタメ 

話題

  • 1
    キム・ウビンとの結婚目前!女優シン・ミナが明かすウェディングドレスのこだわり

    エンタメ 

  • 2
    「初キス」はいつだったろう…‟1700万年前”

    トレンド 

  • 3
    2001年の名曲が再び輝く!雪の結晶と共に舞うfromis_9、個性あふれる冬のコンセプトフォト公開

    エンタメ 

  • 4
    「これ食べられるの?」猛々しいトラがつららを見た途端、一瞬で‟赤ちゃん化”!

    おもしろ 

  • 5
    約8万人動員!NiziU、日本武道館で4回目ツアーを完走…メンバー自ら楽器演奏も

    エンタメ 

シェア

[cosmosfarm_share_buttons url="https://dailyview.net" title="ピッコン" align="center"]