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アメリカ商務長官、農村ブロードバンドにマスク氏の「スターリンク」導入を推進…利益相反の疑惑浮上

荒巻俊 アクセス  

引用:EPA通信
引用:EPA通信

米国のハワード・ラトニック商務長官が農村へのブロードバンド回線普及にスペースXの「スターリンク」の使用を指示したという。ラトニック長官の就任前のCEO在任先である米投資会社キャンターフィッツジェラルドが、テスラの投資格付けを引き上げ、露骨にイーロン・マスクCEOを後押ししているとの疑惑が浮上している。

フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、ラトニック長官は最近の非公開会議で、商務省傘下の農村ブロードバンド網の普及事業「BEAD」の担当者にスターリンクを言及し、光ファイバーより衛星インターネットを増やすべきだと伝えたという。

スターリンクに代表される衛星インターネットは山間部や僻地に即座に設置可能だが、月額利用料は比較的に高額だ。光ファイバーは設置費用が高く時間もかかるが、長期的には利用料が安価となる。

こうした特性から、BEADは光ファイバーを基本とし、その設置が不可能または費用対効果が低い地域でのみ衛星インターネットなどの利用を認める制限規定を設けていた。ラトニック長官は10日、この規定を改正すると発表した。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、この改正によりスターリンクが最大200億ドル(約2兆9,736億円)の契約が獲得できると報じた。既存の規則下では、スターリンクの受注可能額はその5分の1の44億ドル(約6,542億1,358万円)に過ぎなかった。BEAD事業の総規模は420億ドル(約6兆2,447億円)だ。

BEADの規則改正に反対して解任されたエヴァン・ファインマン前BEAD局長は「ラトニック長官はマスクCEOの名前を直接挙げ、彼と話をしたかを尋ねた」とし、「他の要素を考慮せず、衛星の利用を増やすよう明確に指示した」と証言した。

デビー・ディンゲル米下院議員(民主党・ミシガン州)は「これは明白な利益相反だ」とし、「トランプ政権が数十億ドルをマスクCEOのスターリンクサービスに投じ、直接的な利益を与えることが懸念される」と述べた。

同日、キャンターフィッツジェラルドは8か月ぶりにテスラの投資格付けを「中立」から「オーバーウェイト」に引き上げた。同社のアナリスト、アンドレス・シェパード氏は、中国および欧州での完全自動運転車両の普及やロボタクシーの発売、低価格電気自動車モデルの販売開始などを挙げ、テスラ株価が18日終値の225.31ドル(約3万3,500円)から88%上昇し、425ドル(約6万3,178円)に達する可能性があると予測した。この日のテスラ株価は、前日比4.68%高の235.86ドル(約3万5,061円)で取引を終えた。

荒巻俊
editor@kangnamtimes.com

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