メインメニューへスキップ(上段) メインコンテンツへスキップ メインメニューへスキップ(下段)

約2年半ぶりにスイスの金利を上回る、円キャリートレードの終焉と円相場への影響

荒巻俊 アクセス  

日本の政策金利が約2年6か月ぶりにスイスを上回り、主要先進国の中で最低水準から脱却した。市場の注目は円相場を動かす投機筋の動向だ。日本経済新聞は22日、「低金利の円を調達し高利回りの資産で運用する『円キャリートレード』が消滅するとの見方が強い」と報じた。

今週、日本銀行と米連邦準備制度理事会(FRB)はそれぞれ政策金利を据え置いた。日銀は19日の金融政策決定会合で政策金利を年0.5%に維持するとした。FRBも19日(現地時間)の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を年4.25~4.5%に据え置いた。いずれも市場予想通りの結果となった。

21日の東京外国為替市場では、ドル円相場が1ドル=149円台で推移した。日本の輸入企業などの実需に応じた円売りドル買いの動きがあったとの見方もあるが、一方的な円安予想は少ないというのが日経の分析だ。

背景には、政策金利に対する日銀の姿勢の変化がある。植田和男総裁は19日の金利据え置き後の記者会見で「経済・物価見通しが実現すれば、引き続き金利を引き上げる」と述べ、利上げ路線を維持する意向を示した。

対照的な動きを見せているのはスイス国立銀行(SNB)だ。SNBは20日、政策金利を年0.5%から0.25%に引き下げることを決定した。インフレ圧力の低下を受けての措置で、5会合連続の利下げとなった。

この結果、日本の政策金利がスイスを上回った。日本が世界最低金利から脱却したのは、スイスが利上げ路線を放棄した2022年9月以来初めてだ。これまで日本の低金利は円キャリートレードの源泉だった。日経は「金利逆転により、為替市場でキャリートレードが難しくなるとの見方が出ている」と伝えた。

円キャリートレードは円売り・他通貨買いを伴うため、円安要因として作用してきた。三井住友銀行のチーフ為替ストラテジスト、鈴木浩史氏は「昨年夏のような極端な円キャリートレードを意識した取引は減少するだろう」と述べた。

米商品先物取引委員会(CFTC)によると、昨年7月にはヘッジファンドなど非商業部門(投機筋)の円の売り越しが18万4,223契約(約2兆3,027億円)に達し、2007年6月以来の最大規模に拡大した。投機筋の円売り越しは円キャリートレードの規模の一部とみられている。実際、昨年7月の円相場は一時1ドル=161円台を上回った。

市場ではSNBの利下げは一巡したとの見方が出ている。一方、日銀の利上げは継続するとの見方が強く、今後スイスと日本の金利差がさらに拡大するとの予想が出ている。りそなホールディングスのチーフストラテジスト、黒瀬浩一氏は「キャリートレードの調達通貨としてスイス・フランが選ばれやすくなるだろう」とし、「円キャリートレードに伴う過度な円安シナリオは後退するだろう」と述べた。

円売り圧力そのものは解消されていない。日本の物価変動を考慮した実質金利は依然としてマイナス圏にあるためだ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券のチーフ為替ストラテジスト、植野大作氏は「日銀が年1%程度まで金利を引き上げても実質金利はマイナス」とし、「現在の水準以上の円高は想定しづらい」と指摘した。

荒巻俊
aramakis@kangnamtimesjp.com

コメント0

300

コメント0

[ニュース] ランキング

  • 「石油を狙え!」ウクライナのドローン攻撃で“ロシア最大級の製油所”炎上 ゼレンスキー「最も効果的な制裁だ」
  • 「戦闘機が作れない!」中国のゲルマニウム輸出制限で価格“14年ぶり”高騰...米欧防衛産業はパニック
  • 「死に追いやられる中国の科学者たち」...AI・工学分野の若手研究者、相次ぐ転落・突然死の衝撃!
  • 「狂犬病で7人死亡」…タイ当局、バンコクの一部を感染リスク区域に
  • 「ウクライナ防空網、崩壊の危機」...ロシア、月6,000台超の“安価ドローン”生産で攻勢加速!
  • パキスタン軍、TTP反政府勢力の隠れ家2か所を急襲…戦闘員31人を殺害

こんな記事も読まれています

  • 【スクープ】ポルシェ「カイエン・クーペEVターボGT」目撃!総出力1,000馬力超で2026年以降登場へ
  • 【ホンダ】ジャパンモビリティショー2025で「ホンダ0シリーズ」初公開…サルーン&SUVプロトタイプ登場
  • 【トヨタ】RAV4&ランドクルーザー派生の新型EV SUV…米ケンタッキー工場で生産、2027年までに投入
  • ボルボCEO警告「中国EV攻勢で欧米ブランドは一部消える」…完全EV化計画を修正しつつも“電動化は不可逆”
  • 「石油を狙え!」ウクライナのドローン攻撃で“ロシア最大級の製油所”炎上 ゼレンスキー「最も効果的な制裁だ」
  • 「戦闘機が作れない!」中国のゲルマニウム輸出制限で価格“14年ぶり”高騰…米欧防衛産業はパニック
  • 「死に追いやられる中国の科学者たち」…AI・工学分野の若手研究者、相次ぐ転落・突然死の衝撃!
  • 「狂犬病で7人死亡」…タイ当局、バンコクの一部を感染リスク区域に

こんな記事も読まれています

  • 【スクープ】ポルシェ「カイエン・クーペEVターボGT」目撃!総出力1,000馬力超で2026年以降登場へ
  • 【ホンダ】ジャパンモビリティショー2025で「ホンダ0シリーズ」初公開…サルーン&SUVプロトタイプ登場
  • 【トヨタ】RAV4&ランドクルーザー派生の新型EV SUV…米ケンタッキー工場で生産、2027年までに投入
  • ボルボCEO警告「中国EV攻勢で欧米ブランドは一部消える」…完全EV化計画を修正しつつも“電動化は不可逆”
  • 「石油を狙え!」ウクライナのドローン攻撃で“ロシア最大級の製油所”炎上 ゼレンスキー「最も効果的な制裁だ」
  • 「戦闘機が作れない!」中国のゲルマニウム輸出制限で価格“14年ぶり”高騰…米欧防衛産業はパニック
  • 「死に追いやられる中国の科学者たち」…AI・工学分野の若手研究者、相次ぐ転落・突然死の衝撃!
  • 「狂犬病で7人死亡」…タイ当局、バンコクの一部を感染リスク区域に

おすすめニュース

  • 1
    「今日もやったぞ!」悪戯っ子ポメプー、悪さをしたあとの「勝ち誇りスマイル」が反則級のかわいさ

    フォトニュース 

  • 2
    「午前5時にメッセージ!?」NCT・チョンロ、ワールドツアー中でも止まらない料理への情熱

    smartnews 

  • 3
    HYBE新星CORTIS、音盤・音源チャート席巻で世界から注目…デビューアルバムで初動売上歴代4位

    smartnews 

  • 4
    日本トップ声優夫婦、結婚5年で離婚を発表…理由は生活リズムの違い?突然の報告に驚きの声

    smartnews 

  • 5
    SEVENTEENライブでハプニング発生、花火が客席に…負傷者2名 事務所が声明を発表

    smartnews 

話題

  • 1
    【NZ惨劇】幼い兄妹を殺害しスーツケース遺棄…韓国人母親が「精神異常」を理由に無罪主張

    トレンド 

  • 2
    大人気グループ・IVE、ロッキンフェス2025出陣!完璧なライブと情熱的なパフォーマンスで世界フェスを席巻

    smartnews 

  • 3
    【衝撃】小惑星リュウグウ、10億年経っても“水”が存在!地球の「水の起源」に迫る重大発見か

    トレンド 

  • 4
    トランプの「無差別」関税を風刺したスウォッチの腕時計が大人気!

    トレンド 

  • 5
    【衝撃】タレント・イ・パニ&TikTok旋風ソ・イブ、実は“母娘”だった!

    エンタメ 

シェア

[cosmosfarm_share_buttons url="https://dailyview.net" title="ピッコン" align="center"]