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北朝鮮、露ウクライナ戦争特需「28兆円超」!食糧危機そっちのけで軍事強化まっしぐら

太恵須三郷 アクセス  

引用:Shutterstock*この画像は記事の内容と一切関係ありません

北朝鮮はウクライナ戦争を契機に、約28兆7,000億ウォン(約2兆8,348億円)規模の経済効果を得たと推定される。

ロシアに兵力を派遣し、武器を支援した見返りとして、両国間では輸出入コストの相殺や現物取引が行われているとみられる。

韓国国防研究院(KIDA)は7日、「露朝軍事協力の経済的波及効果と対応策」と題する報告書を公表した。その中で、約1万1,000人の兵士派遣など人的支援で約4,000億ウォン(約394億5,707万円)、弾薬などの物資支援で約27兆4,000億ウォン(約2兆7,028億円)、さらに技術提供によって約9,000億ウォン(約887億2,327万円)の経済効果がもたらされたと分析している。

ロシアは派遣された北朝鮮軍兵士に対し、月額2,000ドル(約28万6,869円)程度の給与と一時金を支給しているとされる。北朝鮮当局はその一部を差し引いたうえで兵士に支給しており、1万1,000人が1年間受け取ると総額は約4,000億ウォンに上る計算となる。

総額28兆7,000億ウォンという経済効果は、北朝鮮の慢性的な食糧難を解消しうる規模にあたる。毎年不足するとされる食糧を33年分購入できる額に相当する。しかし、北朝鮮当局は食糧よりも武器開発への投資を優先する様子だ。長距離ミサイル1発の発射には約414億ウォン(約40億8,494万円)が必要とされる。

北朝鮮がロシアに最も求めているのは、先端兵器を含む現物支援や軍事技術だとみられている。今後は、原子力潜水艦の開発技術や、第4世代以上の戦闘機の供与を要請する可能性もある。

北朝鮮の保有する戦闘機は老朽化が進む一方、韓国は第5世代戦闘機F-35Aを導入しており、空中戦力の格差が広がっている。これまでロシアと中国は北朝鮮への新型機供与を拒んできたが、ウクライナ戦争を背景にロシアの対応が変わる可能性も出てきた。

すでにロシアが北朝鮮に対して技術支援を行っている兆候も確認されている。北朝鮮は先月、「人工知能(AI)技術を導入した自爆型ドローン」のほか、早期警戒管制機や新型無人偵察機などを公開した。これらはいずれも、従来の武器システムに比べて性能が大きく向上していると分析されている。

引用:ニュース1
引用:ニュース1

こうした北朝鮮の軍事力強化は、結果として金正恩(キム・ジョンウン)政権の体制維持を支える要因となる可能性がある。韓国国防研究院(KIDA)のパク・ヨンハン上級研究員は、「露朝軍事協力は、有事の際にロシアが朝鮮半島に介入する可能性を高め、不安定な状況下でも金正恩政権の存続を後押しする」と述べた。また、「両国間の軍事協力を断ち切るための早急な対応が必要だ」と強調している。

特に、露朝軍事協力の根幹にあるロシア・ウクライナ戦争については、「その終結を促すか、今後の追加的な協力を抑えるため、防衛と外交の両面から対応する必要がある」と説明した。

さらに、「ロシアが北朝鮮に提供する見返りとして、戦略兵器の開発支援や先端武器の移転が含まれないよう制限を設けるべきだ」と述べたうえで、「対北朝鮮制裁の実効性を高める措置を講じ、韓国とロシアの協力関係を強化することで、軍事的な連携の遮断につなげるべきだ」と提言している。

太恵須三郷
editor@kangnamtimes.com

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