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トランプ氏の関税発言が二転三転する裏で、中国「レアアース供給遮断」…米防衛産業に深刻な打撃も

梶原圭介 アクセス  

アメリカのドナルド・トランプ政権内で関税政策をめぐる混乱が拡大している。最近では半導体やスマートフォンなどに対する相互関税免除を発表したかと思えば、品目別に関税を再び課すと表明するなど、一貫性がない姿勢が見られた。ドナルド・トランプ大統領は相互関税を90日間猶予する過程でも「戦略的なものだ」と述べたが、これは政権内の混乱の表れだとの見方も出ている。

トランプ大統領は政権1期目と同様に関税政策で中国を圧迫しつつ、首脳会談を実現しようとしているが、これもうまくいっていない様子だ。中国政府はトランプ政権に対する直接的な対応を控える一方で、対米関税率の引き上げやレアアースの輸出停止など、対米貿易圧力を強めている。

電子製品関税政策の混乱

引用:Shutterstock*この画像は記事の内容と一切関係ありません

トランプ大統領は13日(現地時間)、大統領専用機エアフォースワンの機内で記者団と会見し、半導体に対する関税が「近い将来、実施される」と述べ、関税率については「来週中に発表する」と答えた。

この発言は11日にホワイトハウスが発表した半導体相互関税免除とは矛盾するものとして受け止められた。トランプ政権内でも、方針が定まらない関税政策が混乱を招いているとの指摘がある。

11日には米国税関・国境警備局(CPB)が半導体やスマートフォンなどに対する相互関税免除を発表していた。アメリカのメディアは12日、CPBの通知を一斉に報道し、「関税免除はない」との立場を示してきたトランプ政権の政策転換だと評価した。

しかし、トランプ大統領は13日、エアフォースワンでの発言に加え、「トゥルース・ソーシャル」を通じて「金曜日に『関税免除』は全く発表されていない」と主張した。

トランプ政権の経済政策の不確実性が高まる中、批判の声も強まっている。世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者レイ・ダリオ氏は同日、ある番組に出演し「トランプ大統領の関税政策とアメリカの債務拡大が、新たな一方的世界秩序の形成を促している」とし、「現状に適切に対処しなければ、景気後退以上に深刻な事態が起こりかねない」と警鐘を鳴らした。

ダリオ氏は最悪のシナリオとして「通貨秩序の崩壊、民主主義的でない内部対立、世界経済に甚大な混乱をもたらす国際紛争、場合によっては軍事衝突」などを挙げた。関税戦争が長期化すれば、各国は自国の輸出競争力を維持するために通貨安政策を選択する可能性があり、さらに米国債の売却に踏み切る動きが広がれば、ドルを基軸とする国際通貨体制そのものが不安定化するおそれがある。

中国によるレアアース輸出規制

トランプ政権が関税政策の明確な方向性を見出せない中、中国政府は静かながらも一貫した対米貿易対応を進めている。「ニューヨーク・タイムズ」によると、中国は自動車、航空宇宙、半導体、軍事兵器などの先端製品製造に不可欠なレアアースと磁石の対米輸出を4日から停止したことが確認された。規制対象にはガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ルテチウム、スカンジウム、イットリウムなどの中重希土類・希土類磁石が含まれている。

中国が新たな規制システムを整備するまで、中国の港から電気自動車、ドローン、ロボット、ミサイルなどの先端製品製造に必要不可欠なこれらのレアアースと磁石の出荷が停止される。

中国の新規制システムが整備されれば、アメリカの防衛産業など特定企業へのレアアースの供給が永続的に遮断される見込みだ。

トランプの対中相互関税賦課に対抗し、中国は報復関税とともに6つの報復リストを公開し、その中に希土類金属と希少磁石の輸出制限措置が含まれていた。レアアースと磁石の供給が遅れれば、アメリカのデトロイトにある電気自動車工場で生産ラインが停止する可能性もある。

米中首脳会談の見通し不透明

トランプ大統領は対中関税を引き上げながらも、習近平国家主席との対話の意思を示している。9日(現地時間)、ホワイトハウスで習主席との会談や対話の可能性を問われ、「もちろん彼と会う」とし、「彼は私の友人で、好きだし尊敬している」と答えた。

しかし、実際にトランプ大統領と習主席の対話は当面実現が難しいと予想されている。米通商代表部(USTR)代表のジェイミソン・グリア氏は同日、ある番組で米中間の関税貿易戦争に関し、トランプ大統領と習主席の対話について「当面の予定はない」と明かした。

これまで公の場での立場表明を控えてきた習主席も、トランプ大統領を批判する姿勢を見せ始めた。習主席はこの日、「ベトナム労働党機関紙人民報」への寄稿で、トランプ大統領を念頭に「貿易戦争と関税戦争に勝者はなく、保護主義には出口がない」と述べた。また「多国間貿易体制を堅持し、グローバルな産業・供給網の安定を維持し、開放的で協力的な国際環境を維持しなければならない」と強調した。習主席はアメリカとの関税戦争が激化する中、この日から18日までベトナム、マレーシア、カンボジアを国賓訪問する。

梶原圭介
editor@kangnamtimes.com

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