中国のサーバーに保存されたデータ
情報機関との協力義務に懸念

マイクロソフト(MS)は、中国の人工知能(AI)チャットボット「ディープシーク(DeepSeek)」を全面的に禁止していることを公式に確認した。
7日(現地時間)、テッククランチなどによると、米上院公聴会に出席したブラッド・スミスMS副会長兼社長は「MSは従業員にディープシークアプリの使用を許可していない」と述べた。さらに「ディープシークアプリはデータセキュリティ、コンテンツ検閲、中国政府による宣伝の可能性など複合的なリスクがあるため、MSストアにも登録されていない」と付け加えた。
ディープシークは、中国で開発されたオープンソースのAIチャットボットで、デスクトップとモバイルの両方で提供され、今年初めに話題を呼んだ。しかし、プライバシーポリシーによると全データが中国のサーバーに保存され、中国法に基づき国家情報機関への協力義務が適用される点で懸念が持たれている。また、ディープシークは中国当局が敏感とみなす話題を厳しく検閲することでも知られている。
スミス会長は、MSが「ディープシークのAIモデルを内部で分析し、有害な副作用を取り除く作業を行った」と明かし、この処置は、Azureクラウドで制限的にディープシークのR1モデルを提供するための前段階であったと説明した。ただし、具体的な調整内容は明らかにしなかった。
実際、MSはディープシークのチャットボットアプリは配布していないが、企業顧客が自社サーバーに該当モデルを構築して利用できるよう、オープンソース形式でAzureでサポートしている。これにより、データが中国に送信されないためセキュリティ懸念は一部解消されるが、依然としてセキュリティに脆弱なコード生成などのリスクが残るとの指摘もある。