マスク、5月初旬に企業経営に復帰
マスクが採用した人材による政府機関の再編が継続中
各省庁から経験豊富なベテラン職員が続々と離職
イーロン・マスクは政府効率化部(DOGE)の長官職を辞任したが、彼が登用した人材たちによる米連邦政府の組織再編は現在も進行中だ。
18日付のワシントン・ポスト紙によれば、17日(現地時間)、連邦政府機関が実施している2度目の勧奨退職において、申請者数が1回目を大きく上回り、数十万人に達する見通しだという。
これは、今年1月に実施された第1回勧奨退職で同意した約7万5000人を大幅に超える規模だ。
国立衛生研究所(NIH)では、感染症、小児保健、遺伝学などの研究所長6名が解任または辞任。連邦航空局(FAA)では、航空交通の最高責任者を含む10人以上の幹部が早期退職を選び、財務省では財政システムの運用に関わっていた200人超の熟練管理職が今年初めに退職した。
ワシントン・ポスト紙は、トランプ政権下で推進された早期退職・自主退職政策により、連邦政府全体で経験豊富なベテラン職員の離職が前例のない規模で増加していると分析している。
何十年も勤めた幹部職員でさえ、突然の部局ごとの廃止により、事実上の退職を余儀なくされているという。
こうした組織再編の流れは、テスラCEOでありトランプ大統領の側近でもあったマスクが主導したものだ。
昨年の大統領選で少なくとも1億3200万ドル(約191億7000万円)を投じ、トランプ再選の立役者とされたマスクは、第2次トランプ政権の発足直後、政府効率化部の長官に就任し、連邦政府の大規模な再編を進めた。
しかし、政府内での他閣僚との軋轢やテスラ株の下落などの影響で、今月初めに本業である企業経営へ復帰。それでも彼が登用したスタッフたちは依然として政府内の各所で改革を主導している。
CNNによれば、DOGEの職員たちは今後数か月から数年にわたり、政府機構の再編を進めていく可能性が高いという。
DOGEの一部職員はマスクと同様に連邦政府の「特別公務員」として年間130日の勤務に制限されているが、1年ごとの更新可能な契約職も多く含まれる。また、多くの職員は正規公務員に準じる職位と役割を担い、継続的に業務に携わっている。
米連邦調達局(GSA)の職員の一人はCNNに対し、「マスク氏の人脈がすでに深く入り込んでおり、彼らは離れない。混乱は今後も続くだろう」と述べ、「何も変わらない」と語った。