
女子高生を車に乗せて回りながら、45人の男性と売春行為をさせていた男らの犯行が、明らかになった。
別の女子高生も男らに騙され、100人の男性との売春行為を強いられていたことが判明し、警察は追加の被害者の調査に注力している。
16日の産経新聞によると、大阪地方検察庁は最近、売春防止法違反などの容疑で滝本絵斗(26)を含む20代の男3人を起訴または略式起訴したという。
当初、彼らは昨年7月、当時高校生だったAさんを複数の地域に連れ回し、売春を強要した容疑で先月大阪府警に逮捕された。Aさんは北陸地域を容疑者らと共に移動しながら、約5日間で45人の男性との売春行為を強いられたとされている。
しかし、捜査の過程で新たな被害者が明らかになった。別の被害者であるBさんは、昨年6月、秋田県や福島県などで10日間にわたり約100人の男性と売春行為をするよう強いられたという。Bさんもまた高校生であった。

AさんとBさんはいずれも、大阪・道頓堀にある若者の溜まり場「グリ下」に出入りしていた生徒だったことが分かった。この場所は、橋の下に行き場のない家出少年・少女たちが集まるスポットとして知られている。
彼女たちを標的にした加害男性らは、SNSを通じて女子高生に接近し「10日で数十万円稼げる」、「とりあえず5日間だけでもやってみなよ」などと誘い込んだことが分かった。
しかし、女子高生たちを待ち受けていたのは、甘い言葉とはまったく異なる過酷な現実だった。被害者たちは午前中に滞在していたホテルを出発し、ラブホテルや車内で売春を強いられ、深夜には次の地域へと移動するというハードなスケジュールをこなさなければならなかった。
被害に遭った女子高生らが「もうやめたい」、「つらい」と訴えても、返ってきたのは「頑張って」という言葉だけだったという。また、食事はコンビニ弁当で済まされていた。
手持ちのお金が少なく、自力では逃げ出すことができなかった女子高生たちは、自傷行為に及んだケースもあったとされている。
加害者らは、出会い系サイトに成人女性を装って書き込み、売春相手の男性を集めていた。買春男性からは1回につき約1万5,000円を受け取っていたが、そのお金はすべて加害者らが回収していたという。
Aさんは約70万円、Bさんは約150万円を稼いだものの、実際に彼女たちの手に渡った金額は、それぞれ15万円、60万円にすぎなかった。
女子高生たちは、捜査過程で「1日1食のみ与えられた」、「精神的にも肉体的にも限界だった」と証言したという。
大阪から離れた地域で犯行を行った理由について、滝本容疑者は「地方の方がより稼げると思った」と供述したことが明らかになった。
警察は、被害に遭った2人の女子高生以外にも、同様の手口で売春を強要された未成年者が他にもいる可能性があるとみており、組織的な関与の有無を含めて、引き続き被害者の特定を進めるという。