リップル(Ripple)社が発行する暗号資産XRPが、昨年記録した500%の上昇を再現する可能性があるとの見方が浮上している。
直近5日間で、大口投資家「クジラ」らは合計1億1,000万XRPを買い集めており、市場では新たな強気相場の前兆と解釈されている。

21日(日本時間)午後9時40分時点で、XRPの価格は前日比1.08%上昇し、2.35ドル(約337円)を記録した。
短期的には価格が若干変動しているものの、オンチェーンデータを見ると、10万XRP以上を保有するアドレスが買い増しの動きを加速させていることが注目されている。
これらのアドレスの保有量は直近5日間で75億6,000万XRPから76億7,000万XRPに増加しており、これは明確な買い圧力の兆候と解釈される。
過去の事例を見ると、XRPの「クジラ」たちは本格的な上昇相場が始まる直前に集中的な買い集めを行う傾向があった。
今回も同様の動きが見られており、昨年末に記録した代表的な強気パターンの再現ではないかという期待が高まっている。当時、XRPは下降トライアングルパターンを突破し、数ヶ月間で500%を超える上昇を記録した。
暗号資産関連メディア「コインゲイプ」などによれば、現在XRPはテクニカル分析上で下降抵抗線をテスト中だという。この水準を突破すれば、3ドル(約430円)以上を超え、過去最高値に迫る可能性も出てきたという。
相対力指数(RSI)は55レベルまで上昇しており、上昇モメンタムの形成が始まったことを示唆している。ただし、強力なトレンド転換には平均方向性指数(ADX)の上昇転換が必要だとの分析もある。
一方、デリバティブ市場では複雑な動きが見られている。
仮想通貨デリバティブ情報提供業者「コイングラス」によると、XRPの未決済建玉(未清算契約の総数)は、直近5日間で9億3,000万ドル(約1,332億8,332万9,526円)以上減少した。これはビットコインへの資金シフトにより、新規の先物取引の流入が減少した影響とみられる。
バイナンス(Binance)では、ロング・ショート比率が2.97を記録し、依然として上昇に賭ける投資家が優勢だとなっている。しかし、同日中に300万ドル(約4億2,994万6,224円)規模のロングポジションが強制決済され、売り圧力も同時に存在している。
市場では「強い上昇相場には未決済約定の回復が不可欠だ」との見方が優勢だ。新規資金の流入が再開し、デリバティブ市場の取引量が回復すれば、テクニカル面でのブレイクアウトも現実味を帯びてくると予想されている。
現在、XRPは現在2.30ドル(約330円)台で足踏み状態だが、「クジラ」による買い集め、技術的パターンの再現、デリバティブ市場でのロング優位といった複数の要因が重なり、新たな強気相場への転換点に立っているようだ。
ただし、実際にトレンドが転換するかどうかは、今後数日間の市場の反応と投資家心理に大きく左右される見通しだ。