
ピート・ヘグセス米国防長官が、同性愛者の権利活動家ハーヴィー・ミルク氏の名を冠した軍艦の改名を指示したと伝えられている。
3日(現地時間)、AP通信やロイターなどは米当局者の話として、ヘグセス長官の命令に基づき、ジョン・フェラン米海軍長官が当該軍艦の改名作業を担当する小規模チームを編成する予定だと報じた。新たな艦名はまだ決まっておらず、今月中に決定される見通しだ。
ハーヴィー・ミルク氏は米国の同性愛者の権利運動の象徴的存在で、大学卒業後に海軍に入隊し朝鮮戦争に従軍した。同性愛者であることを理由に海軍から強制退役させられた後、1970年代に同性愛者の権利運動に身を投じた。1977年にカリフォルニア州サンフランシスコ市議会の議員に当選したが、翌年暗殺された。軍艦にミルク氏の名を冠する決定は2016年になされ、2021年に米海軍の軍事海上輸送司令部所属の「ジョン・ルイス級」補給艦の1隻に命名された。
この指示は、米トランプ政権のDEI(多様性・公平性・包摂性)政策撤廃の一環とみられている。ドナルド・トランプ米大統領は今年1月、トランスジェンダーの軍務を事実上禁止する大統領令に署名し、ヘグセス長官もトランスジェンダーの新兵募集停止を命じていた。さらにヘグセス長官は先月、自らトランスジェンダーであると申告した軍人1,000人の即時退役を決定している。