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2025年06月15日日曜日
ホームニュース「反ワクチン派が実権握る」アメリカでワクチン政策が完全崩壊?ケネディJr.がCDC委員17人を一斉解任

「反ワクチン派が実権握る」アメリカでワクチン政策が完全崩壊?ケネディJr.がCDC委員17人を一斉解任

引用:Depositphotos

米保健福祉省のロバート・ケネディ・ジュニア長官が米疾病対策予防センター(CDC)のワクチン諮問委員全員を一斉解任し、ワクチン政策を巡る懸念が日増しに高まっている。

AP通信、ロイターなどによると、米保健福祉省は9日(現地時間)、ケネディ・ジュニア長官がCDC傘下の予防接種諮問委員会(ACIP)委員17人全員を解任し、これらを代替する新委員会を構成中だと明らかにした。

この厳しい措置は、先月ケネディ・ジュニア長官が突如ワクチン接種対象を縮小したのに対し、CDCが真っ向から反対の立場を示した直後に取られた。今回解任された委員は全員がジョー・バイデン前政権で任命されており、うち13人は昨年に任命されたばかりだった。

これまでドナルド・トランプ米大統領の方針に沿ってワクチン不信論を広めてきたケネディ・ジュニア長官は、この日の声明でもその立場を堅持した。彼は「今日、我々はワクチンを巡る特定の賛否の議題よりも、国民の信頼回復を優先している」とし、「国民は保健機関の勧告が偏見のない科学に基づいていることを知る必要がある」と述べた。

ACIPは米食品医薬品局(FDA)で承認されたワクチンの接種勧告を策定する役割を担い、CDC長官がこれを最終承認する。

ケネディ・ジュニア長官のこうした行動は、先月27日にコロナワクチン接種勧告対象から健康な子どもと妊婦を除外し、保健界内外で懸念を高めたことに続くものだ。当時、彼はこの決定を下す際に手続きを無視し、CDCを排除したという批判が上がった。

これに対しCDCは3日後の30日、健康な子どもも依然としてワクチン接種対象であるとの立場を表明し、ケネディ・ジュニア長官と相反する見解を示した。ケネディ・ジュニア長官はコロナ禍以前からワクチンが自閉症を引き起こすと主張してきたワクチン懐疑論者だ。

今回の諮問委員解任について、元FDA当局者は「これは悲惨な事態だ」とし、「彼らは科学者で構成された高度な専門家集団であり、このような政治的介入は信頼を損なうだろう」と語った。

一方、米国立衛生研究所(NIH)では、トランプ政権の予算削減と大量解雇に対し、ケネディ・ジュニア長官に真っ向から異を唱える声が上がった。NIH所属の科学者など数十人が9日、異例の声明を発表し、トランプ政権の予算削減が「米国民と世界の人々の健康に害を及ぼしている」と批判した。彼らは声明で連帯署名を集め、ケネディ・ジュニア長官らに提出した。現在までに署名に参加したNIHの元職員及び現職員は340人を超えている。

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