
暗号資産の代表格であるビットコインが、再び勢いを増している。
ビットコインは10日(現地時間)時点で、30日連続して10万ドル(約1,449万9,051円)を上回る水準で推移しており、これは過去に例のない出来事となっている。
特筆すべきは、先月22日に11万1,999ドル(約1,624万355円)まで上昇し史上最高値を更新した後、10%急落して6日には10万428ドル(約1,455万9,498円)まで下落し、一時は10万ドルの大台割れが懸念されたものの、その後は再び上昇基調に転じた点だ。
週末には買い需要が再び流入し、ビットコインは10万5,000ドル(約1,522万2,321円)まで反発。さらに9日には、米中貿易協議の進展を受けて11万ドル(約1,594万7,193円)の壁を再度突破した。
10日午後の取引で、ビットコインは10万8,893ドル(約1,578万8,471円)で推移した。
米調査会社ウルフ・リサーチのチャートアナリスト、リード・ハービー氏はCNBCの取材に対し、「これは明確に強気相場の兆候だ」と語った。
ハービー氏は、「いかなる状況でであっても、価格が心理的あるいは歴史的な主要抵抗線を突破し、その水準を維持できれば、それは強気相場の明確なシグナルとなる」と強調した。
さらに同氏は「特に注目すべきは、下落局面でもこの水準を維持できる底力を示したこと」であり、「ビットコインは5日に一時10万ドルまで下落したものの、最終的に10万ドルの大台を割ることなく持ちこたえた」と指摘した。
またハービー氏は、「今回の動きは、短期的なモメンタムを示す50日移動平均線と完全に一致しており、これはビットコインが直近の高値である11万2,000ドル(約1,623万8,958円)に再び到達する可能性を示している」と述べた。
同氏はさらに、ビットコインが新たな高値を更新する前に、過去の高値圏で再び基盤を固める動きに入る可能性があると分析した。
一方、暗号資産調査会社ディヨール(DYOR)のCEO、ベン・カーランド氏は、10万ドルの水準をビットコインの「新たな基盤」と評価している。
カーランド氏は、「機関投資家やETF(上場投資信託)、暗号資産市場に精通した投資家たちは、10万ドルを支持線と見なしており、今の相場はバブルではない」と断言した。
さらに同氏は、「10万ドルが新たな支持線として確立されれば、次の目標は12万〜13万ドル(約1,739万8,883円~1,885万3,346円)の水準になる」と、ビットコイン相場のさらなる上昇に対する期待を示した。