
中国がアフリカ53か国の国交樹立国を対象に、関税免除措置を実施すると発表した。米中間の貿易摩擦が続く中、「グローバル・サウス(主に南半球の新興国)」のリーダーとしての地位を一層強化しようとする動きとみられている。
中国外務省のリン・ジエン報道官は11日(現地時間)の定例記者会見で、同日湖南省長沙で開かれた「中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)成果実行調整者閣僚級会合」に関連して「習近平国家主席が祝賀メッセージを送り、国交を結んでいるアフリカ53カ国を対象に全ての関税対象品目について免税措置を実施し、アフリカの最貧国による対中輸出の利便性を高める意向を示した」と明らかにした。さらに習主席は「中国とアフリカが共に近代化を進め、新時代における運命共同体を築くことを望んでいる」と伝えた。
中国はすでに昨年末から、アフリカ33カ国を含む最貧開発途上国に対して関税を免除しており、今回はそれをさらに拡大した。中国は2005年からアフリカの最貧国に対して、各種製品の関税を段階的に撤廃してきた。
こうした動きは、中国が「グローバル・サウス」のリーダーとしての立場を固め、米国など先進国主導の国際経済秩序に対抗する「南南協力」を推進しようとする中国の戦略の一環とされる。米中間の影響力争いにおいて優位に立とうとする狙いも見える。
中国は16年連続でアフリカ最大の貿易相手国であり、これまでにアフリカへの資金援助は総額1,500億元(約2兆9,976億1,450万円)を超えている。今年1〜5月の中国とアフリカの貿易総額は、前年同期比で12.4%増の9,630億元(約19兆2,446億8,500万円)に達したと新華社通信は伝えている。