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2025年06月17日火曜日
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【世界経済が火の海】イスラエルのイラン攻撃で米中間選挙に暗雲…中東危機で米国民の体感インフレが爆発寸前!

引用:depositphotos

米国のドナルド・トランプ大統領が自身の関税戦争、貿易戦争がインフレ(物価上昇)を引き起こさないと主張したが、この主張はイスラエルのイラン攻撃、そしてイランの反撃により無に帰す状況に陥った。

低いインフレを可能にしていたエネルギー価格の下落が、イスラエルとイランの衝突の中で終わりを迎えることになる。今年後半、関税戦争と原油価格の衝撃が同時に米物価を刺激し、米経済の回復と来年の中間選挙での勝利が危機に瀕することになる。

国際原油価格は、イスラエルがイランを攻撃し、イランが報復攻撃に出た13日(現地時間)に7%を超えて急騰した。国際原油の基準であるブレント原油の8月納品分は7.02%、米国の原油基準であるWTI原油先物の7月納品分は7.26%急騰した。

ブレント原油とWTI原油は共に瞬時に70ドル(約1万110円)の壁を突破した。ブレント原油はバレル当たり74.23ドル(約1万721円)、WTI原油はバ72.9872.98ドル(約1万540円)で先週を終えた。取引中、一時的に両銘柄は13%の急騰を記録した。両者の対立が続く中、16日に市場が開くと国際原油価格がさらに上昇する可能性も排除できない。

今回のイスラエルとイランの衝突は昨年の4月に比べてさらに激しく進行しており、問題が深刻である。昨年、イスラエルがシリアのダマスカスにあるイラン領事館を空爆したことで両者のミサイル攻撃戦が始まった。

イランがイスラエルをミサイルとドローン数百機で攻撃し、イスラエルもイランを攻撃したが、イランに大きな衝撃を与えない形式的な報復攻撃に近かった。イランに対するイスラエルの報復攻撃は、イスラエルが攻撃を受けてから熱気が少し収まった6日後に行われた。今回は異なる。13日にイスラエルの先制攻撃から始まった両者のミサイルとドローン攻撃が二日間続いた。

14日、ヤフーファイナンスによると、JPモルガン・チェースは13日、分析ノートで「最悪のシナリオ」を想定したという。イスラエルとイランの衝突により国際原油価格が上昇し、それに伴い米インフレも急騰するシナリオである。

JPモルガンは可能性は17%と高くはないが、中東の状況が悪化すれば国際原油価格はバレル当たり120ドル(約1万7,330円)に跳ね上がり、米消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率は5%に達することを警告した。ブルームバーグ・エコノミクスも分析ノートで、原油価格が引き続き上昇すれば、すでにトランプ大統領の関税で揺れ動いている米インフレの歯止めが外れると懸念した。

引用:depositphotos

最悪の事態は、世界の海上石油輸送の25%以上、世界の石油消費量の21%を担う重要な海上輸送路であるホルムズ海峡が封鎖される場合である。イラン、イラク、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、オマーンが共有するこの海峡は、最も狭いところが約33km、21海里に過ぎない。この狭い海峡では、1日あたり2,100万バレルの石油が移動している。

投資調査会社CFRAは、ホルムズ海峡が封鎖されれば原油価格は瞬時にバレル当たり100ドル(約1万4,445円)を突破すると懸念している。ただし、米第5艦隊がバーレーンに駐留しているため、イランが実際に封鎖することは難しいとの見方が支配的である。イランは実際にこの海峡を封鎖すると警告したことはあるが、実際に封鎖したことは一度もない。

最悪の事態に至らなくても、トランプ大統領にとってはイスラエルとイランの衝突による原油価格の上昇が悪材料となることは避けられない。特に、米国の夏のドライブシーズンが先月26日、メモリアルデー(戦没者追悼記念日)から始まったため、原油価格の上昇がインフレ、そして有権者の体感物価に与える影響は大きいと見られる。

来年の議会中間選挙が危険にさらされる可能性もあり、今年後半の米経済回復期待も無に帰すことになる。年末にはトランプ大統領の減税と米連邦準備制度理事会(FRB)の金利引き下げにより、米経済が回復するとの期待が高まっているが、原油価格の急騰と今後現れるトランプ大統領の関税ショックでインフレが始まると、金利引き下げは遠のくことになる。トランプ大統領は国際外交の場でも面目を失うことになる。

豪語していたロシアとウクライナの戦争休戦が依然として停滞している中、今度は中東の火薬庫が揺れ動いている。トランプ大統領は14日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と電話で話し、まるで自らがイランを圧迫するために今回のイスラエルのイラン攻撃を煽ったかのように話したが、実際には困惑している可能性が高い。トランプ陣営内部でも、イスラエルのイラン攻撃を評価する意見と、巣をつついたとの批判が交錯している。

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