イスラエルのイランに対する空爆により、イラン軍の指導部20名以上が死亡したと伝えられている。この攻撃の背景には、イスラエルの情報機関「モサド」の高度な情報収集能力があるとの専門家の分析がある。中東情勢に詳しい専門家は、イラン軍のモハメド・バゲリ参謀総長やイスラム革命防衛隊(IRGC)のフセイン・サラミ総司令官の殺害に米国が関与している可能性については疑問を呈し、「イラン関連の情報に関してはイスラエルのモサドが圧倒的に優れている」と指摘した。

イスラエル軍は今回の「立ち上がるライオン」作戦開始以降、イラン政権の安全保障機関の指揮官20名以上を排除したと明らかにしている。モサドはテヘラン市内で、イラン軍の核心幹部を一カ所に集めるために「安全保障と核プログラムに関する極めて重要な会議がある」と装い、標的を誘い出したという。これにより、短時間で核心幹部20名を殺害することが可能になったとされる。
また、標的が集まった建物には事前に設置された秘密のドローン基地から自爆ドローンが投入され、精密な攻撃が実施された。専門家は、今回の作戦は米国の情報力によるものではなく、イスラエル独自の情報力によるものだと強調した。
今回の事態がイスラエルとイランの全面戦争に発展する可能性は低いとの見方も示されている。イラン側はモサドの浸透度の深さに困惑しており、内部の情報網がどのように破られたか把握できず、対応を躊躇していると分析されている。
イランがイスラエルに対し「攻撃を止めれば自分たちも止める」と発言したことについては、専門家は「トーンダウンを図る際に典型的に用いられる表現であり、激しい攻撃を受けた割には早期の発言だ」と指摘した。
また、イランがすぐに交渉の場に出る可能性は低いものの、しばらく「しっぺ返し戦略」を展開した後、条件付きで交渉に応じる可能性があるとの見通しが示された。