■ 住民避難命令… 空爆が切迫
核兵器製造用プルトニウムの遮断
トランプ「イラン攻撃1秒前に決定
外交の扉は閉じていない」
核兵器開発放棄の可能性を注視
米国防長官「軍は準備完了」

イスラエル軍は18日(現地時間)、アラク重水炉周辺地域の住民に避難を警告した。これにより、イスラエル軍が近くアラク重水炉施設を標的とした空爆を開始する可能性が高まっている。
イスラエル軍は同日、Xにアラク重水炉周辺の爆撃予告地域を赤い円で示した衛星写真とともに、施設従業員と周辺住民への避難命令を掲載した。アラク重水炉はイランの首都テヘランの南西約250kmに位置する。重水炉は再処理を通じて兵器化可能なプルトニウムの生産が可能だ。アラク重水炉は、イランが核兵器開発を決定した場合、濃縮ウランに加えてプルトニウムを獲得する選択肢を提供し得る施設だ。そのため、米国やイスラエルなどはアラク重水炉でのプルトニウム生産の疑惑を提起してきた。イスラエル軍の今回の空爆警報も、イランの核兵器開発の選択肢を封じる狙いがあると見られる。
こうした中、ドナルド・トランプ米大統領はすでにイランへの攻撃計画を承認したものの、イランが核兵器開発を放棄するかどうかを見極めるため、最終的な攻撃命令は保留したと伝えられている。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は同日、トランプ大統領がイラン攻撃計画を承認したが、イランが核兵器開発を放棄するかを見極めるため最終攻撃命令は保留する意向を高官らに示したと報じた。情報筋はWSJに対し、トランプ大統領がイスラエルと共にイランを攻撃する可能性を示唆することで、イランに大統領の要求を受け入れるよう圧力をかけることを望んでいると語った。
トランプ大統領は前日に続き、この日もホワイトハウスの状況室で、ピート・ヘグセス国防長官、ダン・ケイン統合参謀本部議長らと中東情勢に関する追加会議を行った。これに先立ち、トランプ大統領はホワイトハウスの執務室で記者団と会見し、攻撃実行の最終決定はまだ下していないと述べた。「私は戦争を望んでいない」としながらも、「しかし、戦争か(イランの)核保有かの選択を迫られれば、やるべきことをやらなければならない」と攻撃の可能性に言及した。イランの神権体制を率いるアヤトラ・アリ・ハメネイ師政権が崩壊する可能性を問われると、「もちろんだ。何でも起こり得る」と答えた。トランプ大統領は「彼らは(米国との核合意)文書に署名すべきだった」と述べつつ、「外交の扉を閉ざしたのか」との質問には「いいえ」と答えた。
ヘグセス長官は同日の上院軍事委員会公聴会で「国防総省の任務は選択肢を用意し、準備することだ」と述べ、トランプ大統領に複数の軍事的選択肢とその影響について説明したことを示唆した。大統領がどのような決定を下しても、米軍はそれを実行する準備ができていると強調した。さらに、イランの核プログラムの中枢であるフォルドウ核施設を攻撃可能な「バンカーバスター」をイスラエルに提供するかどうかは、トランプ大統領の判断次第だと述べた。