
イランが23日(現地時間)、カタールの米空軍基地への攻撃を敢行した。ロイターは「イランはミサイル発射の数時間前に外交チャネルを通じて、米国とカタールにミサイル発射を事前通告した」と報じた。イランの今回のカタール基地攻撃は、米国がバンカーバスター(地中貫通爆弾)などを使用して自国の核施設を攻撃したことへの報復措置だ。
イランがミサイルを発射した後、カタールのドーハ上空で爆発音と炎が目撃された。ロシアのタス通信は、計10発のミサイルがカタールに向けて発射され、そのうち3発が基地に命中したと伝えた。AP通信は安全保障筋の話として「米軍が駐留するイラクの基地に向けてもミサイルが発射された」と報じた。

イランのタスニム通信は、イラン革命防衛隊(IRGC)がカタールのアルウデイド空軍基地に報復ミサイル攻撃を行ったと伝え、「ここは中東における米国のテロリスト軍の最大の戦略的拠点だ」と報じた。イラン国営のプレスTVは、今回の報復軍事作戦が「勝利の前触れ(herald of victory)」と名付けられ、イラン最高国家安全保障会議(SNSC)とイラン軍の中央司令部「ハタム・アル・アンビア」の指揮下でIRGCが実行したと報じた。
IRGCは声明で「ホワイトハウスとその同盟国に対するこの断固たる行動のメッセージは明確だ」とし、「イランは領土保全と主権及び国家安全保障に対するいかなる侵害も看過しない」と強調した。ただし、イランが事前にミサイル発射を通告していたため、今回の攻撃による負傷者や人的被害はないとされる。米国防総省の関係者も「現時点で米側の死傷者報告はない」と述べた。

実際にカタールのアルウデイド基地を撮影した衛星写真を見ると、イランの攻撃前には航空機が基地内に密集していたが、攻撃直前には航空機が1機も残っていない。2枚の衛星写真を比較すると、米国がイランから事前に通告を受け、基地内の航空機をすべて移動させたと推測される。
イランの攻撃を受けたアルウデイド基地は、中東における米空軍作戦の主要拠点とされる。中東最大の米軍基地であり、中東・北アフリカ・中央アジアを管轄する米中央軍(CENTCOM)の地域本部の役割を果たしている。約1万人の兵力が駐留しており、複数の防空施設に囲まれている。
イランが今回の報復攻撃前に米国とカタールに通告していたことから、今回の攻撃が「示し合わせた攻撃」だったとの見方が出ている。米国のドナルド・トランプ大統領は21日、フォルドゥ、ナタンズ、エスファハーンなどイランの核施設3か所への米軍攻撃後、イランが報復に出た場合はより大規模な武力行使に直面することになり、追加攻撃対象を設定していると警告していた。
しかし、この日の午後、トランプ大統領はSNSのトゥルースソーシャルを通じて、米軍基地を攻撃したイランに「謝意」まで表明するという異例の姿勢を示した。これはイランが事前に攻撃計画を知らせてくれたおかげで犠牲者が出なかったことへの感謝のメッセージだった。
トランプ大統領はイランの米軍基地攻撃後まもなく、SNSのトゥルースソーシャルで「イスラエルとイランの間で完全かつ全面的な停戦に向けた合意が成立した」と発表した。さらに「両者が段階的に攻勢を緩和し、現在進行中の『最終任務』を終える約6時間後から停戦が始まる」とし、「全世界が『12日間戦争』の公式終結を祝うことになる」と付け加えた。
トランプ大統領のこの停戦発表に対し、イランとイスラエル政府の公式見解はすぐには示されなかった。ただし、ロイターによると、イランの高官は自国がイスラエルとの停戦に同意したと述べた。カタールのムハンマド首相も、停戦に関するイランの同意を得たと述べた。
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