
イランのアッバース・アラーグチー外相が国連安全保障理事会に対し、イスラエルとアメリカを「イランに対する爆撃を通じて侵略行為を開始した国家」として公式に認定するよう要請した。
29日(現地時間)、イラン国営通信『IRNA』によると、アラーグチー外相はアントニオ・グテーレス国連事務総長および安全保障理事会のキャロライン・ロドリゲス=バーケット議長宛てに公開書簡を送り、国連が「世界の平和と安全を維持するという基本的責任」を果たすよう強く求めた。
アラーグチー外相は書簡の中で、イスラエルが意図的に住宅地、民間人、民間施設を標的にしたと非難し、これらは国連憲章への露骨な違反であり、国際法に対する「恥知らずな違法行為」だと糾弾した。
さらに、国際原子力機関(IAEA)が安全管理を認めてきたイラン国内の核関連施設までも、イスラエルと米国が爆撃対象に含めたと主張。これは核兵器不拡散条約(NPT)やIAEAの規定・決議を踏みにじる行為にあたると強く反発した。
アラーグチー外相は、国連安保理にはこうした「攻撃国家」の行動を制裁し、同様の事態が再発しないよう防止する責任があると強調した。
6月13日、イスラエルはイランの核施設や軍事拠点を含む複数箇所を大規模に空爆し、革命防衛隊の高官や核科学者、民間人多数が犠牲となった。
イラン側は報復として、ミサイルと無人機によるイスラエルへの攻撃を複数回実施。米軍も6月22日にイラン国内の地下核施設を爆撃し、これに対しイランはカタールに駐留する米軍のアル・ウデイド空軍基地を攻撃した。
12日間にわたる交戦の末、6月24日にイランとイスラエルは停戦に合意したが、イランは引き続き両国を「加害者」として糾弾し、国連による公式な制裁措置を求めている。
注目の記事