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2025年07月10日木曜日
ホームニュース「日本経済の柱なのに」...トランプ減税でEV補助金廃止!日産・トヨタが米国EV生産を一時中断 米国市場でEV鈍化鮮明に

「日本経済の柱なのに」…トランプ減税でEV補助金廃止!日産・トヨタが米国EV生産を一時中断 米国市場でEV鈍化鮮明に

トランプ減税の影響…日産など日本ブランド、米国での生産拡大を「中断」

電気自動車の税額控除廃止で需要停滞の見通し

米国内の韓国系電気自動車バッテリー工場にも影響

引用:depositphotos

トランプ政権が導入した減税法案の影響で、米国における電気自動車(EV)購入時の税額控除が廃止されることになり、日本の自動車メーカーが相次いでEV生産計画を見直している。中でも日産自動車は米国内で予定していた2車種のEV生産を最大1年延期することを決定したという。

8日付の日本経済新聞によると、日産はミシシッピ州の工場で2028年から生産開始を予定していたEVタイプのスポーツ多目的車(SUV)2車種について、生産開始時期を2028年末から2029年初めまで延期する見通しだという。

他の大手日本自動車メーカーも追随しており、トヨタ自動車は米国内で計画していたEVモデル1車種の生産を2年先送りする。トヨタ自動車はインディアナ州の工場でのEV生産を一時停止し、代わりに人気の大型SUV「グランドハイランダー」のハイブリッドおよびガソリンモデルの生産を拡大する方針を示している。

ホンダも、主力EV戦略車として位置づけていた大型SUVの開発を中止したとのこと。

企業がEV関連の投資や生産体制の見直しを迫られている背景には、トランプ政権による補助金廃止と、それに伴う米国内のEV需要の低迷があるという。今月4日に成立した「減税・歳出法(Tax Cuts and Appropriations Act)」には、バイデン前政権が実施していたEV購入支援措置の撤廃が盛り込まれている。

米国ではガソリン車と同価格帯の3万ドル(約440万9,648円)未満で購入できるEVがほとんどなく、最大7,500ドル(約110万2,368円)の支援金が廃止されれば、EVの需要はさらに鈍化すると見られている。補助金が適用されていた状況でも、EVの普及率はわずか7%にとどまっており、市場の成長は想定を下回っていたという。

こうしたEV需要の減退は、バッテリーなど関連部品産業にも影響を及ぼすとみられる。バイデンz前政権時にはEVやバッテリー工場への投資に対し税制優遇が与えられ、中国依存からの脱却を目指して主に日本や韓国のバッテリーメーカーが米国内に相次いで工場を建設していた。

現時点では、これらの支援は維持される見通しだが、完成車の需要が低迷すれば、バッテリーなどの部品メーカーにとっても厳しい状況が予想されるという。日産にバッテリーを供給しているAESCは、サウスカロライナ州に計画していた新工場の建設を中止したとのこと。

ある金融関係者は「需要が停滞するなかでバッテリーの供給体制をそのまま維持すれば、米国で生産能力が過剰になる可能性がある」との見方を示している。

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