ドイツ政府、紅海で中国からレーザー照準を受けたと主張
中国大使を召喚し抗議
ドイツ政府は紅海上空で中国からレーザー照射を受けたとして、在ドイツ中国大使を召喚して抗議したという。

8日(現地時間)、CNNによると、ドイツ政府は、紅海上空で任務中だったドイツ軍機に対し中国海軍の艦艇からレーザー照射を受けたとして、在ドイツ中国大使を外務省に召喚し抗議したという。
問題の航空機は、欧州連合(EU)が展開する紅海での海上安全保障作戦「アスピデス」に遂行中のドイツ軍機で、昨年10月から多目的偵察任務を担う「多機能センサープラットフォーム(MSP)」として運用されていた。
ドイツ外務省はSNSを通じて「EUのアスピデス作戦に従事していたドイツ機に中国軍がレーザー照準を行った」と明らかにし、「ドイツ人員への脅威および作戦妨害は決して容認できない」と強く非難した。
ドイツ国防省によると、レーザー照射は今月初め、MSPが任務中に発生したという。中国艦艇による事前通告は一切なかったとされており、照射は突発的に行われたものとみられる。
国防省報道官は「レーザーの使用は搭乗員および機材の安全を著しく脅かす行為だ」としたうえで、「リスク回避のため任務を一時中断し、航空機はジブチ基地へ安全に着陸した」と説明した。その後、MSPは再び作戦に復帰したという。
一方、中国外務省と在ドイツ中国大使館は、CNNのコメント要請に対し回答していない。
中国軍によるレーザー照射をめぐっては、過去にも北大西洋条約機構(NATO)加盟国との間で摩擦が生じている。2020年には、米国太平洋艦隊が「グアム西方の国際空域を飛行中の米海軍哨戒機に中国艦艇がレーザーを発射した」と主張したが、中国側はこれに対し「事実とは異なる」と否定していた。
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