メインメニューへスキップ(上段) メインコンテンツへスキップ メインメニューへスキップ(下段)

【止まらぬAIの暴走】GPT-4oに続きGrok 4も…チャットAIに今こそ求められる本当の検証とは

望月博樹 アクセス  

大規模言語モデル(LLM)があらゆるシーンで活用され、社会への影響力が増す中、そのリスクも同時に拡大している。イーロン・マスク氏が創立したX.AIが開発した「グロック4(Grok 4)」モデルの最新事例は、この危険性の深刻さを如実に物語っている。このモデルはXプラットフォーム上で反ユダヤ的発言や自傷行為を助長する内容を発信し、大きな議論を巻き起こした。AIガバナンス専門の研究機関Holistic AIは、事前に実施すべき「レッドチームテスト」によって十分に防げたはずだと指摘している。

レッドチームテストとは、AIモデルの実運用に先立ち、あえて攻撃的な質問や悪意ある操作を仕掛けることで、その安全性と倫理性を検証する手法である。単なるベンチマークテストと異なり、実際の使用環境で発生しうる不適切な発言のリスクを事前に評価する。Holistic AIの研究員であるゼクン・ウ(Zekun Wu)氏は「レッドチームテストは最も実践的な評価手法だ」と述べ、「安全性を確保せずに展開されたモデルは、ブランドとユーザーの双方に重大なリスクをもたらす」と警告した。

実際、Holistic AIがグロック4に対して実施した100項目のテストでは、全てのジェイルブレイク試行の約90%が危険な発言を引き出すことに成功した。これは、このモデルの安全機能がほとんど作用していなかったことを示唆している。同社はグロック4だけでなく、他の多数のLLMに対しても同様のテストを継続しており、現在では30万件以上の攻撃的な質問ライブラリを蓄積している。

しかし、この明白なリスクはグロック4だけの問題ではない。ウ氏は「既存のモデル設計と開発プロセスに根本的な欠陥がある」と指摘し、「土台が腐っていれば、どれだけ上塗りしても崩れるだけだ」と例えた。実際、2024年に入ってからは、ニューヨーク市のAIチャットボット『マイシティ(MyCity)』が企業向けに違法な助言を提供し問題となり、エアカナダも自社AIチャットボットの誤回答が原因で訴訟で敗訴している。

さらに、オープンAI(OpenAI)のGPT-4oモデルも、ユーザーの主張に過度に同調するという問題で批判を浴びた。あるユーザーが薬物中断をほのめかす質問をした際、モデルはそれを支持する回答を出した。オープンAIは直ちに該当バージョンをロールバックしたが、すでにその評判は損なわれていた。

問題の核心は、AI企業が製品の迅速な市場投入を競う一方で、倫理性と安全性の確保をおろそかにしている点にある。企業にとっては、規制回避よりもブランドの信頼確保が喫緊の課題となり得る。ウ氏は「レッドチームテストは単なる理論上のものではなく、企業の評判と顧客の信頼を守るための実質的な保険だ」と述べ、「AIの逸脱事例は一度のミスでビジネス全体を揺るがしかねない」と警告した。

AIが企業サービスの最前線に躍り出る現代において、技術導入に先立ち整備すべきは単なる技術水準ではなく、倫理的なセーフガードである。その中核的ツールとして、『レッドチームテスト』はもはや選択肢ではなく、絶対不可欠な要素となっている。

望月博樹
CP-2023-0364@fastviewkorea.com

コメント0

300

コメント0

[IT・テック] ランキング

  • 「20周年モデル最新情報!」2027年のiPhone、ついに“ベゼルゼロ×画面内Face ID”が現実に?
  • アップル製品の“高級化”加速!iPad mini 皮切りに“OLED”拡大、次世代モデルは“大幅値上げ”か
  • Apple、発熱問題に決着か?iPhone 17に続きiPadも“液体冷却システム”採用へ
  • 「人を切って、マシンを肥やす」米ビッグテック3社、“AI投資”のために5万人リストラ!
  • 「マスクを逃しちゃ、ダメ!」テスラ取締役会、株主に“異例の懇願” “1兆ドル報酬案”否決ならCEO辞任も
  • 【Apple信者必見】iPhone 18は「プラトー」デザイン継続…iPhone 17eには“変化の風”

こんな記事も読まれています

  • 【JMS2025】日産「サクラ」が太陽光で一年間最大3,000km!“自ら充電する”軽EVへ進化
  • 「BMW iX3旋風?」…6週間で3,000台突破!ノイエクラッセ時代の幕開け
  • 【衝撃】日産「フェアレディZ NISMO」中国投入へ…“日本の魂”が海を渡る
  • 「ATの寿命を縮める!?」…専門家が警告する“やってはいけない5つの習慣”
  • 「全然動かないんだけど!?」ドッグカフェで露わになったうちの犬の“省エネ魂”
  • 「鮮度保証だと!?」通行人に甘える子犬、その背後には待ち受ける“残酷な運命”に世界が激怒!
  • トランプ氏、プーチンに続き今度は習近平とも“軍事基地で会談”…異例の舞台選択に潜む思惑とは?
  • 「今日から男になる!」ドイツで“性別自己決定制度”施行→1年で2万2,000人以上が性別変更!

こんな記事も読まれています

  • 【JMS2025】日産「サクラ」が太陽光で一年間最大3,000km!“自ら充電する”軽EVへ進化
  • 「BMW iX3旋風?」…6週間で3,000台突破!ノイエクラッセ時代の幕開け
  • 【衝撃】日産「フェアレディZ NISMO」中国投入へ…“日本の魂”が海を渡る
  • 「ATの寿命を縮める!?」…専門家が警告する“やってはいけない5つの習慣”
  • 「全然動かないんだけど!?」ドッグカフェで露わになったうちの犬の“省エネ魂”
  • 「鮮度保証だと!?」通行人に甘える子犬、その背後には待ち受ける“残酷な運命”に世界が激怒!
  • トランプ氏、プーチンに続き今度は習近平とも“軍事基地で会談”…異例の舞台選択に潜む思惑とは?
  • 「今日から男になる!」ドイツで“性別自己決定制度”施行→1年で2万2,000人以上が性別変更!

おすすめニュース

  • 1
    【米露臨界】トランプが会談を中止した瞬間、“核を取り出して見せつけた”この国!

    フォトニュース 

  • 2
    「下品だ」と責められた花嫁…ウェディングドレス巡る非難の末に悲劇

    トレンド 

  • 3
    「なぜ人はあくびをするのか?」眠いからじゃない!最新研究が暴いた“あくび”の意外な正体

    おもしろ 

  • 4
    「契約か信頼か」NewJeansとADORの専属契約訴訟…K-POPの未来を決める分岐点に

    HYBEアイドル 

  • 5
    「私が男だなんて!」外見は完全に女性、しかしお腹の中に“精巣”...32歳で“遺伝的男性”と判明

    トレンド 

話題

  • 1
    【快挙】ルセラフィム『SPAGHETTI』、発売初日オリコン1位&81か国チャートイン!世界が夢中に

    K-POP 

  • 2
    【祝】“家族を持ちたい”夢が現実に…「キャプテン・アメリカ」クリス・エヴァンス、第1子誕生!

    エンタメ 

  • 3
    【告白】ホン・ヒョンヒ、出産後に“産後うつ”を経験…夫ジェイスンの支えに視聴者涙

    エンタメ 

  • 4
    【衝撃】D.Ark(キム・ウリム)、大麻流通および吸引容疑で逮捕…「容疑を否認」と報道

    K-POP 

  • 5
    【JYP総出動】『出張十五夜』史上最大スケールのランダムプレーダンスにSNS熱狂

    JYPアイドル 

シェア

[cosmosfarm_share_buttons url="https://dailyview.net" title="ピッコン" align="center"]