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【禁酒令が生んだ裏接待】官僚と企業が秘密レストランで密会、習政権の統制に衝撃的な対策とは

望月博樹 アクセス  

引用:小紅書 
引用:小紅書 

中国の首都北京の住宅街の路地に、看板のない「カラオケレストラン」が続々と現れている。5月に当局が前例のない禁酒令を発令し、高位公職者の飲酒と私的な集まりを全面的に規制したため、企業側が住宅を秘密接待スペースに改装して対応したのだ。今回の禁酒令は、習近平国家主席が2012年の就任初年度に発表した「八項規定(8カ条の決まり)」よりもさらに厳しい。「中国版クリーン法」に相当する八項規定が茅台(マオタイ)酒などの高級酒類と豪華接待を禁止したのに対し、今回の禁酒令は公務関連の食事の場で初めて飲酒そのものを禁じ、公職者の私的交流を遮断した。

最近会った北京の財界関係者は「この1か月で北京の中心部に住宅を改装したレストランが急増した」と述べ、「高級インテリア業者の一社だけで10件以上の受注があったので、実際にオープンしたレストランは100軒を超えるだろう」と話した。彼が見せた映像には、防音付きのカラオケや、茅台酒のボトルがずらりと並ぶ棚が設置された、いわゆる「秘密レストラン」の内部が映っていた。音響設備や厨房機器の設置には6万元(約120万2,941円)以上かかるという。集まりが開かれるたびに有名シェフが料理を提供するという。

引用:小紅書
引用:小紅書
引用:小紅書
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このような秘密のレストランは、高位公職者と企業の密かな利害関係が生み出した産物だ。5月18日、中国共産党中央委員会・国務院(行政部)が改正発表した「党政府機関の節約実践・浪費反対条例」では、公務員が業務に関連する食事の場で、高級料理やタバコ、酒を楽しむことを禁じ、私的な集まりも制限した。しかし、実業家たちは公職者の接待を中止できない。無許可の増築を黙認されたホテル所有者、許認可に頭を悩ます建設会社の代表、当局の取り締まりに備え長期的に「関係(グアンシー、中国語で人脈・コネを意味する言葉)」を築いてきた中小実業家にとって、接待は生存に直結する問題だからだ。公職者にとっても、高級ホテルやレストランの利用が封じられた今、安心して会話ができる“目立たない”空間は不可欠となっている。香港の「星島日報」は「一部の地方政府では、公務員による3人以上の会食を原則として禁止し、毎日アルコール検査を実施していることから、内部で不満の声が高まっている」と報じた。

習近平政権が禁酒令を出した背景には、政権第3期の中盤に差し掛かり、政治派閥や反政府世論の形成を阻止する意図があるとの分析がある。特に下半期に開催が予想される中国共産党第20期中央委員会第4回全体会議(4中全会)で習主席の後継者の輪郭が一部明らかになる可能性があり、指導部内の練張感が極度に高まっているとされる。反中傾向の華人メディアは「北京で政治の長老と軍部勢力が秘密ネットワークを形成したという噂が広がったことは禁酒令と無関係ではないだろう」と主張した。

引用:小紅書
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公職者の間で流行していたカードゲーム「官団」も昨年下半期から事実上禁止された。北京の金融業界関係者は「官僚と実業家は最近3年間、官団を通じて人脈を築いてきたが、政府が突然これを禁止した」と述べた。1960年代に江蘇省で生まれた官団は、社交・接待に重要な娯楽であることから「紙のゴルフ」とも呼ばれる。食事の前後にそれぞれ2~3時間ゲームをすることが多かった。高位公職者の海外渡航も今年に入って大幅に制限された。地方政府幹部の海外出張を支援する団体の関係者は「今年上半期に中国の地方政府高官の海外出張許可が突然取り消されることが頻発した」と語った。

中国の政界では重要な節目ごとに「公職者社交制限令」が繰り返されてきた。習近平主席は2012年12月に共産党のトップである総書記に就任した翌日に八項規定を通過させた。2017年1月には「ゴルフ禁止令」でゴルフ場111か所が突然閉鎖された。これは習近平が2期目の政権を前に反腐敗運動を加速し、政敵を排除していた時期と評価されている。今年は米中対立や内需低迷などで内部の結束がかつてないほど重要になっている。

ただし、内需促進に致命的な禁酒令を長期間維持するのは難しいとの指摘もある。この1か月で北京の高級ホテルやレストランでは団体予約が相次いでキャンセルされ、売上急減による臨時休業も続出している。北京のあるコンサルタントは「飲食業界では毎年全国のレストランの廃業率が80%(公式統計は20%)に達すると推定されており、この状況で接待まで禁止されれば倒産する店が急増するだろう」と述べた。北京の財界関係者は「中国には『上に政策あれば下に対策あり』という言葉がある」とし、「当分の間、北京では秘密レストランが増え続けるだろう」と語った。

望月博樹
//= the_author_meta('email'); ?>editor@kangnamtimes.com

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