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2025年08月04日月曜日
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「庶民の味方アピール」?トランプ大統領、薬価高騰に激怒!「60日以内の是正命令」に製薬株が大暴落

引用:ロイター通信
出典:ロイター通信

米国のドナルド・トランプ大統領は製薬会社に対し、薬価の引き下げを強く求めた。トランプ大統領は、17社のグローバル製薬会社に対し公開書簡を通して「60日以内に米国内の薬価を引き下げよ」と圧力をかけた。

トランプ大統領は7月31日(現地時間)、SNSの「トゥルース・ソーシャル」で書簡を公開し、「米国内のブランド医薬品価格は、他国の2~3倍に達している」として、他の先進国並みの最低水準までの引き下げを要求した。

さらに「これまで米政府が(製薬会社から)受けた提案は、この深刻な問題を『解決』するというよりも、単なる非難回避に終始していた」と述べ、「よって、米国内で事業を展開するすべての製薬会社に対し、今後60日以内に以下の措置を実施するよう求める」と強調した。トランプ大統領は5月に製薬会社に薬価引き下げを求める行政命令を出して以来、各社が提出した交渉案を検討してきた。

書簡の対象になった17社は、イーライリリー・アンド・カンパニー、ノボノルディスク、ファイザー、EMDセローノ、ギリアド・サイエンシズ、ノバルティス、ブリストル・マイヤーズ・スクイブ、ベーリンガーインゲルハイム、アッヴィ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、ジェネンテック、アムジェン、アストラゼネカ、サノフィ、リジェネロン・ファーマシューティカルズ、メルク・アンド・カンパニー、グラクソ・スミスクラインなどである。トランプ大統領の書簡が公開された日、製薬各社の株価は軒並み急落した。

トランプ大統領は、製薬会社に対し、「メディケイド」(低所得者向け医療保険)の患者向け「最恵国待遇(MFN)」価格をすべての薬品に適用し、価格ポートフォリオの提示を求めた。特に「もし対応しなければ、米国の家庭を継続的な薬価の不当な利益から守るためにあらゆる手段を講ずる」と警告した。また、製薬会社には、他国での薬価引き上げを促す一方で、その追加収益を企業が保持せず、米国内の薬価引き下げに充てるよう強調した。

米ランド研究所の報告によれば、米国の処方薬価格は他の経済協力開発機構(OECD)加盟国に比べ平均2.78倍高いという。特にブランド医薬品の場合は、平均で4.22倍高かった。製薬会社が今回の要求に従わない場合、トランプ政権がどのような措置を講じるかは不透明である。アクシオスは「トランプ大統領の政権1期目に類似のMFN計画が提案されたが、製薬会社が連邦裁判所に訴えたため頓挫した」と報じた。

UBSのアナリスト、トゥルン・フイン氏はロイター通信に対し、「トランプ大統領の書簡は以前の要求を繰り返したに過ぎず、業界への影響は限定的であろう」と評価した。ロイター通信によると、匿名を条件に取材に応じた製薬業界のロビイストは、米議会でのトランプ政権の薬価引き下げ政策への支持が低いため、書簡で予告されたような製薬会社への圧力は困難だろうとの見方を示した。

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