
米国がスイス製品に対し39%の高率関税を課す決定の背景には、ドナルド・トランプ米大統領の「激怒」があったという裏話が浮上した。スイスのカリン・ケラー=ズッター大統領が貿易不均衡の解消に向けた「誠意」を示さなかったことが理由だ。
2日(現地時間)、ブルームバーグなどによると、米国とスイスの大統領は先月31日に電話会談を行った。貿易合意の期限が迫っていた時期だった。
両国首脳間の認識の差は大きかった。トランプ大統領はケラー=ズッター大統領に対し、年間400億ドル(約5兆9,030億円)の対米黒字を記録するスイスは、米国の金を盗んでいるのと同じだと主張し、これを解消する措置を要求した。ケラー=ズッター大統領がこの要求に応じなかったため、トランプ大統領が激怒したという話が広まっている。
両国首脳の通話終了から数時間後、米国はスイス製品に対し、8月7日から39%の相互関税を適用すると発表した。
ケラー=ズッター大統領は8月1日、「スイスが米国から金を盗んできた状況だから、貿易赤字に見合う関税を課されるべきだ」という考えに対し「ナンセンスだ」と発言した。米国への訪問交渉の意向を問われた彼女は、「可能性を否定はしないが、まずは双方の立場がさらに近づく必要がある」と述べた。
海外メディアは、スイス側が米国のスコット・ベッセント財務長官やジェイミソン・グリア通商代表部(USTR)代表らと合意に達したため、トランプ大統領の最終承認が自動的に得られると誤判断したと分析している。
ホワイトハウス広報室は、この件に関するブルームバーグの取材要請に即座には応じなかった。ただし、匿名を条件に応じたホワイトハウス関係者は、スイスが貿易障壁について意味のある譲歩を拒否したため、両国首脳の通話でこのような結果になったと説明した。非常に裕福な国は、主要項目での譲歩なしには合意達成は不可能だろうと述べた。
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