キーウ市長「全てのウクライナ国民が戦争に疲弊…ゼレンスキー大統領の決断が必要」
ロシアの領土要求について「一部は同意しないだろう…難しい判断が迫られる」との見解

ウクライナの首都キーウのビタリ・クリチコ市長は、ロシアとの停戦協議をめぐり外交的解決を支持し、ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領に決断を促したという。
10日(現地時間)、ドイツ通信社DPAによると、クリチコ市長はドイツ紙ビルトの取材に「外交的な解決策を見つけなければならない。我が国のすべての人々がこの戦争に疲れ果てている」と述べた。
クリチコ市長はさらに「残念ながら、この戦争では愛国者である兵士や市民の命という莫大な代償を払った。数百の都市が破壊され、ウクライナの広範な地域がロシアに占領されている」と現状を語った。
ロシアが戦争終結の条件としてウクライナに領土割譲を要求していることについては「時期尚早」としつつ、この点に関してはゼレンスキー大統領が判断を下す必要があるとの認識を示した。
クリチコ市長は「国土の一部をロシアに譲渡することに決して同意しない人もいる。ゼレンスキー大統領は幾つかの困難な決断をしなければならない」と述べた。
ドナルド・トランプ米大統領とウラジーミル・プーチン露大統領は15日、米アラスカ州で首脳会談を行う予定だが、ゼレンスキー大統領は現時点で出席を予定していない。
ロシア・ウクライナ戦争は2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻から3年半が経過し、今回の会談の結果次第では、戦況が大きな転機を迎える可能性があるとみられている。
ゼレンスキー大統領は領土譲渡案を拒否しており、ウクライナに関する交渉にも自らが必ず参加すべきだと主張している。
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