
ドナルド・トランプ米大統領が、ゴールドマン・サックス最高経営責任者(CEO)であるデービッド・ソロモン氏に対し、エコノミストの交代を公然と要求した。
ニューシスの報道によると、トランプ大統領は、関税政策後に雇用悪化を報告した労働統計局長を解任したのに続き、自身の推進する政策に批判的または障害となる人物や機関を即座に攻撃する姿勢を見せている。
12日(現地時間)、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によれば、トランプ大統領は自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に「ソロモン氏は、長年にわたり市場や関税について誤った予測を繰り返した銀行のエコノミストたちと入れ替えるべきだ」と述べた。
さらに、ソロモン氏が過去に副業としてDJ活動を行っていたことに触れ、「DJを続けていた方がまだましではないか」と皮肉を込めた。
WSJは、トランプ大統領が直接名前や役職を挙げてはいないものの、ゴールドマン・サックスの長年の首席エコノミストであるヤン・ハチウス氏を念頭に置いた発言である可能性が高いと分析している。
ハチウス氏は、2008年の住宅ローン不良による深刻な景気後退を予測し、ウォール街で名を馳せた人物だ。彼とその分析チームは、これまで関税政策が労働市場に悪影響を与え、インフレ圧力を高め、米国経済の成長を鈍化させると予測してきた。
ハチウス・チームが10日に発表した報告書によれば、米国の消費者は6月までに関税コストの22%を負担しており、過去の事例が繰り返されれば最終的に67%まで負担する可能性があると分析されている。これは他の経済学者の分析とも一致していると説明している。
現時点では、米国企業が関税負担の大部分を引き受けているが、時間の経過とともに消費者や一部の海外政府に転嫁する可能性が高いと経済学者たちは見ている。
こうした分析は、関税が消費者ではなく主に外国政府と企業が負担しているというトランプ大統領の主張と食い違っている。
トランプ大統領が、自らの主張と食い違う経済学界の分析を公に批判するのは、これで2度目となる。先に、労働統計局が7月の雇用報告で雇用悪化の結果を発表すると、トランプ大統領は統計が操作されたと主張し、エリカ・マクエンタファー労働統計局長を解任。その後、保守系のヘリテージ財団の首席エコノミストであるE.J.アントニー氏を後任に指名した。
一方、米労働統計局は同日、7月の消費者物価指数(CPI)の前年比上昇率が2.7%となり、前月と同水準で市場予想の2.8%を下回ったと発表した。
しかし、食品とエネルギーを除くコアCPIの前年比上昇率は3.1%と、前月(2.9%)や市場予想(3.0%)を上回った。連邦準備制度などの物価当局は、このコアCPIの数値を特に注視していると続けた。
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