欧州連合（EU）のウルズラ・フォンデアライエン欧州委員長は、米国とEUの間で結ばれた通商合意について、一部から「不均衡な合意」との批判が出ていることに反論し、積極的に擁護する姿勢を示した。
ドイツDPA通信によると、フォンデアライエン委員長は24日（現地時間）、ドイツ紙フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング（FAZ）25日付に寄稿し、「今回の合意は、緊張の高まりや対立ではなく、安定性と予測可能性を選んだ意識的な決断だ」と述べた。
さらにフォンデアライエン委員長は「民主主義陣営の二大経済圏が合意に失敗し、貿易戦争を始めたとしたら、それを喜ぶのはモスクワと北京だけだ」と強調した。
今回の合意については「オールインクルーシブ」の性格を持つ一律15％の関税率を根拠に「完璧ではないが良好な合意」と評価した。
米国製品の多くがEUに無関税で流入することから「屈辱的な交渉」との指摘も出ているが、フォンデアライエン委員長は「相互関税を課せば、労働者や消費者、産業に悪影響を及ぼす高コストの貿易戦争に発展しかねない」と反論した。
また、EUが貿易関係の多角化を進めていることにも言及した。
フォンデアライエン委員長は「我々は最近、メキシコや南米共同市場（メルコスール）との通商合意を締結し、スイスや英国との関係も深めた」と説明した。その上で「インドネシアとの交渉も終盤にあり、インドとは年内の合意を目指している」と述べた。
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