
最近、ある都市で物議を醸す出来事が起きた。市議会が市民のスマートフォン利用を制限する条例案を打ち出したためだ。条例案では、スマートフォンの過剰使用による健康被害や睡眠障害を防ぐことを目的に、市民の1日の電子機器使用時間を2時間以内に抑えるよう推奨している。
報道によると、対象となるのは愛知県の豊明市であり、人口約6万9,000人のこの市は、来月から学習時間を除き、スマートフォンやタブレット、パソコンなどの電子機器使用を1日2時間以内に制限することを推奨する条例案を策定する方針だという。豊明市の小浮正典市長は「スマホなど電子機器の過度な使用による身体的・精神的健康問題、特に睡眠障害を防ぐための措置だ」と説明している。
豊明市では、子どもがスマートフォンを手放せず登校を拒否する事例も報告され、懸念が高まっていた。児童家庭庁が今年発表した調査によると、日本の青少年は平日に平均5時間以上オンラインに接続しているという。SNSや動画視聴などの過度な利用は、発達や家庭内の人間関係に悪影響を及ぼす可能性も指摘されている。こうした背景から、豊明市は「特別な措置」を講じるに至った。
条例案では、6~12歳の小学生およびそれ以下の子どもは、午後9時以降のスマートフォンやタブレット使用を控えるよう勧告する。また、12歳以上の青少年や成人に対しては、午後10時以降の使用を控えることを推奨している。
子どもだけでなく成人も対象に含めたのは、オンライン依存や睡眠不足などのスマホ過剰使用の副作用が全世代で見られるためだ。豊明市の関係者によると、成人も就寝や家族と過ごす時間にスマホに熱中しているケースがあるという。
豊明市議会は今週から条例案の審議を開始し、来月末に採決が予定されている。可決されれば、10月から施行される予定であり、1日2時間の制限を超えても罰金や処罰は科されない。

一方、豊明市民からの反発も大きい。毎日新聞によると、発表後4日間で市役所には83件の電話と44件のメールが寄せられ、そのうち約8割が批判的な内容だった。
オンライン上でも「個人の自由の侵害だ」とする声や、「本や映画を楽しむのにも2時間では足りない」との指摘が相次いでいる。
小浮市長は、「スマホは日常生活で有用で不可欠な存在である」と認めつつ、時間制限はあくまで強制ではないと説明した。その上で「この施策を通じて、家族がスマホの使用時間やタイミングについて一緒に考え、対話するきっかけになれば」と強調した。
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