「軍人なのか?」…米首都でゴミ収集に動員された州防衛軍
トランプ大統領がワシントンに投入した州防衛軍
「犯罪撲滅と治安確立」を掲げたものの
環境美化や患者搬送にとどまる実態
ドナルド・トランプ米大統領の特命で首都ワシントンに投入された州防衛軍が治安維持活動を開始してから、すでに3週間以上が経過した。ホワイトハウスが掲げた「犯罪撲滅」という大義名分に対し、州防衛軍がこれまでどのような実績を上げたのかは明らかにされていない。その一方で、ゴミ収集や緊急患者搬送といった市民支援に励む兵士たちの姿を目にした住民の間では、「これが本当に軍人の仕事なのか」との疑問が広がっている。

2日(現地時間)、米国防総省は公式サイトを通じて、ワシントンに配備された州防衛軍の活動を大々的に紹介した。現在、ワシントンには地元の州防衛軍約800人に加え、周辺6州から動員された兵士を含め、計約2,300人が投入されている。
陸軍と空軍で構成される州防衛軍は、正規軍ではなく予備軍に近い存在だ。通常は州政府が管轄するが、大統領が「非常事態」と判断すれば指揮権は連邦政府に移る。トランプ大統領は8月11日、ワシントン一帯に「犯罪非常事態」を宣言し、国防総省に動員を命じていた。
国防総省にとって、大統領の特命で始まった「犯罪との戦い」で州防衛軍が成果を上げることは不可欠だった。だが、同省が公表した活動実績は期待とかけ離れていた。ある州防衛軍関係者は「部隊は市内全域の環境美化プロジェクトに参加し、公園周辺で40袋以上のゴミや古タイヤ数本を回収した」と語り、「目的は地域を美しくし、住民を支援することにある」と強調した。

また別の兵士は、列車事故で重傷を負った男性を救助するため、緊急通報と現場の安全確保に当たった事例を挙げた。「住民が動揺する中、患者が迅速に治療を受けられるよう尽力した」と話している。
市民を守り、刃物を振り回す不審者を警察と協力して制圧したといった美談もあるが、報告はごく限られている。
ワシントンに派遣された大半の兵士は市内に住居を持たずホテルに宿泊している。2,300人分に相当する1日9,200食の食事が提供され、支援要員も多忙を極めている。しかし、犯罪撲滅を掲げながら環境美化や患者搬送といった業務を担わせることに対し、「人員の無駄遣い」との批判も少なくない。
コメント0