1991年独立以来、最高水準の「自主防衛」体制
「平和のためモスクワに来い」というプーチン大統領の提案を一蹴
ロシアとの戦争が続くウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が、自国の武器生産の成果に満足感を示した。2022年2月のロシア侵攻以降、米国をはじめとする西側諸国の供与兵器に依存してきたウクライナにとって、「自主防衛」は最重要課題の一つとなっている。

5日(現地時間)、ゼレンスキー大統領はキーウを訪問した欧州連合(EU)首脳会議のアントニオ・コスタ常任議長との会談後、共同記者会見に臨み、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が「モスクワで平和協議を開こう」と提案したことについて「プーチン大統領が(ウクライナの首都)キーウに来てはどうか」と反論した。
6日(現地時間)、ロイター通信によると、ゼレンスキー大統領は国民向けのビデオ演説で「現在ウクライナ軍が保有する武器の約60%は国内で生産されたものだ」と強調した。さらに「非常に強力で、多くの先端的な機能を備えている」と付け加えた。
ゼレンスキー大統領は今年7月、戦時内閣に対し「ウクライナ軍が使用する国産兵器の比率を50%以上に引き上げるように」と指示していた。わずか2カ月でその目標を上回ったことになる。ウクライナ大統領府によると、この水準は1991年にソ連崩壊に伴って独立して以来、最も高い数値となる。独立後もウクライナは数十年間、旧ソ連製兵器への依存を続けてきた。
戦争勃発後、ウクライナはロシアによる無人機やミサイルの集中的攻撃に対抗するため、防衛用ドローンや防空システムの開発・生産に力を注いできた。ゼレンスキー大統領はこの日、デンマークで進められている共同武器生産プロジェクトについても言及した。

一方、ゼレンスキー大統領は5日、米ABCテレビのインタビューで「平和協議のためにモスクワへ来い」というプーチン大統領の提案を改めて拒否した。プーチン大統領は3日、中国・北京で開かれた「第2次世界大戦勝利80周年記念式典」に出席した際の記者会見で「ゼレンスキー大統領がモスクワに来れば会談する用意がある」と発言していた。戦時下に敵国の首脳を自国の首都に呼び寄せるのは、事実上の降伏要求に等しい。
ゼレンスキー大統領は「彼(プーチン大統領)がキーウに来るのはどうか。我が国は毎日ミサイル攻撃を受けているのに、私がこのテロリストの首都に行くことはあり得ない」と断言したうえで、「プーチン大統領は戦争を続けたいだけであり、私と首脳会談を行う意志はない」と指摘した。
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