トランプ大統領、ハマスに「人質全員釈放せよ」と最後通告
イスラエル軍のガザ完全撤退、パレスチナ人3,000人の送還を提案
ハマス「交渉準備完了」と前向きな反応

ドナルド・トランプ米大統領が、ガザ地区に拘束されているイスラエル人全員の解放を含む新たな停戦案をパレスチナ武装組織ハマスに提示し、「最後の警告だ」と最終通告した。
ハマスが「直ちに交渉の場につく用意がある」と応じたことで、ガザで続く戦闘の停戦交渉が進展するか注目されている。
トランプ大統領は7日(現地時間)、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に「皆が人質の帰還を望み、この戦争の終結を望んでいる。イスラエルは私の停戦条件を受け入れた。今度はハマスが受け入れる番だ」と投稿した。その上で「受け入れなければどうなるか警告した。これが最後の警告で、次はない」と強調した。
同日、トランプ大統領は記者団に対しても「解決策に向けて取り組んでいる。近いうちに合意できると考えている」と述べた。
米メディア「アクシオス」によると、米国の提案には、イスラエルがガザ市の占領作戦を終了することを条件に、人質48人(うち生存者20人)全員を解放する案が含まれている。また、イスラエルに収監されているパレスチナ人2,500~3,000人を釈放する内容も盛り込まれており、その中にはイスラエル人殺害の罪で終身刑を受けた者も多数含まれているという。
停戦が宣言されれば、戦争終結の条件をめぐる交渉が直ちに始まる予定で、そこではイスラエルが求めるハマスの武装解除や、ハマス側が主張するイスラエル軍の完全撤収が協議されることになる。
ハマスが提案を受け入れる場合、トランプ大統領は戦争終結に向けて積極的に仲介役を担い、交渉中の停戦を保証する方針だという。米側は、ハマスが応じなければイスラエルによる大規模な軍事作戦がガザで行われる可能性があると警告した。
アクシオスは、スティーブ・ウィトコフ米大統領中東特使が、イスラエルの平和活動家ゲルション・バスキン氏を通じてこの提案をハマスに伝えたと報じた。
ハマスはトランプ大統領の最終通告に直ちに反応を示し、声明で「米国側から停戦合意に向けたいくつかの提案を受け取った」と明らかにした。その上で「国民への攻撃を終わらせるためのあらゆる努力を歓迎する」と表明した。
さらにハマスは、明確な戦争終結の宣言、イスラエル軍のガザ地区からの完全撤退、独立したパレスチナ人によるガザ管理委員会の設置などを条件として提示した。イスラエルが交渉結果を覆したり無視したりしないという「公開かつ明確な約束」が必要だと強調した。
今回の米国の新たな停戦提案は、イスラエルがガザ北部の人口密集地ガザ市の制圧を狙い、大規模な軍事作戦を予告していた状況で行われた。イスラエル軍はガザ市占領を目的に予備役6万人を召集し、今月5日から空爆を強化した。2日連続で高層ビル2棟を破壊したとされる。
イスラエルとハマスの停戦交渉は先月決裂し、膠着状態が続いていた。最近になって、ハマスが仲介国エジプトとカタールの提案による一部人質の解放と60日間の停戦案を受け入れる姿勢を示したが、イスラエル側は明確な回答を出していなかった。
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