
米Appleの株価が22日(現地時間)、前日比で約4%上昇し、昨年12月26日に記録した終値ベースの史上最高値258.10ドル(約3万8,100円)に迫った。
今年に入り「マグニフィセント7(M7、米国のハイテク大手7社)」の中で唯一通年の株価推移がマイナス圏にとどまっていたAppleだが、ここに来てプラス圏へと回復した格好だ。背景には、9日の発表イベントでは大きな注目を集めなかった新型「iPhone17」が、19日の世界発売を契機に予想外の反響を呼んでいることがある。iPhone17が再びApple株上昇の触媒となっている。
リードタイムの長期化
BofA証券は、iPhone17の人気は「リードタイムの長期化」で裏付けられると分析する。リードタイムとは、顧客が製品を注文してから出荷・配送されるまでの期間を指す。
米『CNBC』によれば、同証券はApple公式サイトや複数の配送業者の情報を追跡した結果、iPhone17の出荷までに平均18日を要していると指摘した。これは前年のiPhone16のリードタイム(10日)を大幅に上回る。
需要が低調だったiPhone16は10日程度で手に入った。一方で、iPhone17は需要が旺盛で、注文から18日以上待たなければならない状況となっている。
中国市場シェア回復なるか
Appleは近年、ファーウェイやXiaomi(シャオミ)、OPPO(オッポ)など中国勢の台頭によってシェアを奪われてきた。かつて首位に立っていたAppleの中国スマートフォン市場シェアは一時10%まで落ち込んだが、新型iPhone17のヒットを足がかりに再び巻き返すとの期待が高まっている。
目標株価を引き上げ
ウォール街きってのテック株強気派として知られるウェドブッシュ証券のダン・アイブス氏は21日の分析ノートで、Apple株の目標株価を270ドル(約4万円)から310ドル(約4万6,000円)に引き上げた。
米経済誌『バロンズ』によれば、アイブス氏は「iPhone17は買い替えサイクルと重なり、需要を押し上げる」と指摘。近年、成長鈍化が続いていたAppleに対し、ウォール街は今回のiPhoneサイクルを明らかに過小評価していると主張した。
同氏は「買い」評価を再確認するとともに、1年後にはApple株が19日終値(245.50ドル=約3万6,000円)から26.3%上昇する可能性があると見込んでいる。
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