
主要7か国(G7)の中で、カナダと英国が初めてパレスチナを国家として公式に承認した。フランスも近く承認を発表する見通しだ。これは、イスラエルがガザ地区最大の都市ガザ市の占領に着手し、犠牲者が増加、避難民が急増していることを受けた動きだ。一方、米国はイスラエルを支持しパレスチナを国家承認しておらず、G7内での立場の違いが鮮明になっている。
カナダ、豪州、英国、ポルトガルの4か国は21日(現地時間)、相次いでパレスチナを国家として正式に承認した。カナダのマーク・カーニー首相は声明で、「二国家解決の可能性を維持するための国際的な協調努力の一環」として承認を決定したと説明した。二国家解決とは、イスラエルとパレスチナが互いを独立国家として認め合い、共存を目指すアプローチである。
英国のキア・スターマー首相も「平和と二国家解決への希望を再生させるため、英国がパレスチナ国家を公式に認めることを明確にする」と述べ、「これはハマスへの報酬ではなく、ハマスに未来も、政府内の役割も、安全保障上の役割もないことを意味する」と強調した。
英国はかつて「バルフォア宣言」を発表しパレスチナを委任統治した歴史がある。そのため、今回の決定は英国外交史における大きな転換点とみられている。バルフォア宣言は1917年、当時の外相アーサー・バルフォアがユダヤ人代表ウォルター・ロスチャイルドに宛てた書簡形式の発表で、英国政府がパレスチナ地域に「ユダヤ人のための民族的故郷」設立を支持し努力することを約束したもの。これがイスラエル・パレスチナ紛争の源流とされる。
この結果、国連加盟193か国のうちパレスチナを主権国家として認めた国は147か国から151か国に増えた。G7加盟国のフランスも、近くパレスチナ国家承認を公式に発表する予定だ。
一方、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は「パレスチナを認める指導者たちはテロに莫大な報酬を与えることになる」と反発している。日本は当面、承認を保留する方針で、朝日新聞は「同盟国である米国との関係悪化を懸念する声もある」と報じている。
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