
アメリカのトランプ大統領は9月23日(現地時間)、不法移民に対しヨーロッパ各国に厳格な管理を促し、強硬な姿勢を示した。5年ぶりの国連総会演説では、トランプ大統領は約1時間にわたり、不法移民の追放と国境管理政策の正当性を力説。さらに、国連内に蔓延する官僚主義と非効率性、気候危機論を厳しく非難した。
CNNなどは、トランプ大統領はニューヨークの国連本部で行われた演説において、自らの移民政策について「我々のメッセージは極めて単純だ」と述べ、「不法にアメリカへ入国すれば、刑務所行きか、来た場所へ戻るか、あるいはもっと遠くに送られることになる」と強調したと報じた。
さらに「アメリカは再びアメリカ国民のものだと宣言する」とし、「すべての国は自国民を守るために同じ原則を採用すべきだ」と主張。「ヨーロッパは前例のない規模の不法移民流入に直面し深刻な問題を抱えている」とし、「政治的正しさに固執して何もしないのは持続不可能だ」と批判した。
この日の演説では、北朝鮮の金正恩国務委員長や朝鮮半島問題への具体的な言及はなかった。トランプ大統領は原稿表示用のプロンプターが故障したまま演説を開始。後にプロンプターは復旧したものの、「国連で最も嫌われるのはエレベーターとプロンプターだ」と述べ、「プロンプターなしで演説しても構わないが、ある人々にとっては大いに困ることになるだろう」と冗談を交え、聴衆の笑いを誘った。
自身が就任後7つの戦争を終結させたと主張するにもかかわらず、国連は何もしていないと国連総会で直接批判。「誰もが不可能だと言ったが、私は7カ月で7つの戦争を終わらせた」と述べ、世界各地での戦争終結と紛争調停に尽力してきたと主張。さらに、「国連は全く力を発揮していない。むしろ問題解決よりも問題を生み出している」と非難した。
気候変動対策についても、「『グリーン詐欺』から脱却しなければ、各国は失敗する」と主張。「気温が上がろうと下がろうと、何が起ころうとすべて『気候変動』と呼ばれる」とし、「もはや地球温暖化も地球寒冷化も存在しない」と断言した。
過去に国連の高官が「10年以内に地球温暖化で全ての国が地図から消えるかもしれない」と警告したことに触れ、「誤った気候変動予測を行った愚か者たち」と非難。再生可能エネルギー政策にも反対し、「これは冗談に過ぎず、高コストかつ非効率的だ」と批判した。
イランに対しては「世界最大のテロ支援国家が核・ミサイルを保有することは絶対に許されない」と強調した。パレスチナのガザ地区でのイスラエルとハマスの戦争については「直ちに人質を解放すべきだ」とし、「我々は交渉に臨む必要がある」と訴えた。
英国、フランス、カナダなどG7各国が相次いでパレスチナを正式な国家として認める動きに関し、「ハマスに対して甘すぎる」と不快感を表した。
ウクライナ戦争の膠着状態について、トランプ大統領は「ロシアのプーチン大統領との関係で最も早く終結すると見込んでいたが、うまくいっていない」と述べ、「1週間もかからずに終わるはずだったのに、3年半以上も戦争が続き、両側の若い兵士たちが犠牲になっている」と指摘した。
関税政策にも触れ、「アメリカは現在、他国に対して関税を課している」とし、「これらの関税は長年、一方的に我々にのみ課されてきたからだ」と説明。「我々はすべての国との活発な貿易を望んでいる」と述べながらも、「それは公正かつ互恵的でなければならない」と主張した。
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