
CTBT声明に「北朝鮮の核実験非難」を盛り込む
ロシア「CTBT発効の遅れは米国の責任」
ロシア政府は包括的核実験禁止条約(CTBT)をめぐり、北朝鮮の核開発や核実験を非難する宣言への同調を拒み、北朝鮮を擁護する姿勢を鮮明にした。
タス通信などロシア各メディアによると、ロシア外務省は27日(現地時間)、前日の声明で「北朝鮮に反対するいかなる文書にも加わることはできない」と表明した。これは米ニューヨークの国連本部で開かれた「第14回CTBT発効促進会議」への不参加理由を説明する中で示されたものだ。
会議で採択された宣言は、北朝鮮が2006年以降に実施した6回の核実験を非難し、条約の早期発効を訴えた。さらに朝鮮半島の安全保障情勢や北朝鮮の核兵器開発・拡充計画、実験場の稼働態勢に深刻な懸念を示し、国連安全保障理事会決議に基づく「完全・検証可能かつ不可逆的な核廃棄」を要求した。
これに対しロシア外務省は「最終文書は我々の立場を反映していない」と反発。「北朝鮮を標的にした批判は受け入れられない」と強調し、「同国は過去に西側の侵略を抑止する役割を果たしたほか、現在もロシアの領土保全に重要な役割を担う同盟国だ」と主張した。
また、ロシアはCTBT発効の遅れについて米国に責任があると指摘。「約30年間、米政府は批准に向けた措置を講じていない」と非難し、北朝鮮ではなく米国が責任を負うべきだと訴えた。「発効の遅延を北朝鮮に押し付けるのは到底容認できない」とも述べた。
CTBTは1996年9月24日、国連総会で採択された国際条約で、軍事・平和利用を問わず大気圏、宇宙、水中、地下を含むあらゆる核実験を全面的に禁止する。発効には44カ国の署名と批准が必要だが、米国、中国、エジプト、イスラエル、イランは署名のみで批准しておらず、インド、北朝鮮、パキスタンは署名すらしていない。ロシアは1996年に署名、2000年に批准したが、2023年に撤回した。
CTBT発効促進会議は、条約発効まで2年ごとに開催されることが規定されている。
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