
冬を前にロシアとウクライナが前線の膠着状態を打破するため、互いにエネルギー施設への攻撃に集中している。ロシアとウクライナの両国は「エネルギー戦争」を4年続く戦争の流れを変える重要な戦略的なレバレッジに見なしていると、米ニューヨーク・タイムズ(NYT)が報じた。
最近、ウクライナはドローン(無人機)攻撃により、ロシアの製油施設数十か所を破壊した。ロシアは非常に遅い速度で大きな犠牲を払いながら領土を拡張する一方、ウクライナの電力およびガス基盤施設を集中的に攻撃している。
冬が近づくにつれ厳寒のため地上戦の速度はさらに鈍化し、それに伴い今後数か月間で最も活発な戦場はエネルギー戦争になる可能性が高いとNYTは予想した。エネルギー戦争に伴う双方の対立は最近、米国と欧州がロシアの大手石油企業、ルクオイルとロスネフチを狙った新たな制裁を発表したことでさらに顕著になった。
これに先立つ2022年7月、主要7か国(G7)はロシアのエネルギー産業の収益を遮断するためにロシア原油価格の上限制を導入したが、ロシアは中国やインドなどに原油を売りながら耐えている。
しかし、米国のドナルド・トランプ大統領は今回、ロシアの主要石油企業をブラックリストに載せ、これらと取引する全世界の企業を処罰すると警告した。この影響でロシアは戦場で失った装備を補充したり、兵士たちに巨額の給与を支給したりすることが困難になる可能性がある。NYTは来年のロシアの軍事費支出が戦争以降初めて減少すると予想した。
一方、ウクライナ国民はこれまで冬季の電力需要が急増する時期ごとに繰り返される電力網攻撃に適応し、小型発電機やバッテリーで日常を支えてきた。しかし、今年は電力網だけでなく、ほとんどの暖房システムを稼働させるガスインフラまで攻撃対象にされている。
ある欧州の当局者によれば、最近の攻撃でウクライナのガス生産能力の約60%が損傷し、ガス輸送に必要な主要ポンプ施設も各地で破壊されたという。その結果、複数の都市がガス不足のため住宅用建物の中央暖房の稼働を遅らせており、数週間続く氷点下の寒さに耐えるための暖房に対する懸念も高まっている。
ウクライナの長距離ドローン攻撃によりロシアの製油施設も約20%が破壊、または損傷したと分析されている。このためロシアの複数の地域で深刻なガソリン不足が発生していると伝えられている。















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