米政府が国際連合安全保障理事会(安保理)決議を正面から違反した船舶に対し、今よりも強度の高い制裁カードを切った。北朝鮮産の石炭と鉄鉱石を不法輸出して北朝鮮の金正恩政権の資金源になった第三国船舶7隻が標的だ。
ロイター通信は3日(現地時間)、匿名を要求した米国務省の高官を引用し「米国が数日内に国連安保理・北朝鮮制裁委員会に船舶7隻に対する制裁を公式に要請する」と伝えた。これらの船舶は、1回目の核実験後に採択された対北朝鮮制裁決議に従い、輸出を全面禁止された北朝鮮産の石炭と鉄鉱石を中国などに運んだ疑いがある。
北朝鮮の政権は伝統的にこのような不法鉱物輸出を通じて年間2億ドル(約308億4,504万円)から4億ドル(約616億8,410万円)に達する外貨を稼いでいると推定される。この資金は主に核とミサイルプログラムの資金源として使われていると見られる。

米国務省の関係者は具体的な輸出制裁違反の手法も公開した。この関係者によると、5~6月に北朝鮮の船舶「シンピョン6号」などが公海上でシエラレオネ籍のフライフリ号に石炭を積み替えたという。これは国連の監視網を避けるための典型的な船舶間の積み替え手法だ。
その後この石炭は、中国の濰坊港に運ばれ、荷揚げされたと把握されている。 この関係者は今年1月にも北朝鮮産の石炭と鉄鉱石が第三国船舶を利用して中国の港に荷揚げされた追加の事例が確認されたと付け加えた。
米国は国連安保理傘下の「1718委員会」に制裁を要請する予定だ。2006年に安保理決議第1718号に基づいて設立されたこの機関は、15の安保理理事国全員で構成される。対北朝鮮制裁の履行を監督し、違反事例を調査して制裁対象を指定する核心的な役割を果たす。
ただし、手続きを完了させるには委員会が全会一致で決断を下さなければならないとロイター通信は伝えた。まず制裁案が委員会に公式に回覧され、5日以内にいずれの加盟国も異議を唱えなければ制裁案が採択される。
たった一国でも「反対」の意思を表明すれば、制裁は即座に無効になる。または特定の加盟国が追加の検討が必要だという理由で「保留(hold)」措置を取ることもできる。この「保留」は最大9か月まで続く可能性がある。事実上、制裁を頓挫させる手段に近い。
安保理の常任理事国には最近北朝鮮と露骨な接近行動を見せている中国とロシアが含まれる。外交筋ではこの二国が今回の制裁案に素直に同意する可能性は低いと見ている。彼らが異議を唱える場合、米国は実質的に制裁を推進することが難しくなる。
もし7隻の船舶が制裁対象として最終指定されれば、これらの船舶は全世界の港で入港が拒否されたり、拘留されたりする可能性がある。また関連船舶会社や個人は資産凍結や渡航禁止などの不利益を受けることになる。
今回の制裁カードは非核化交渉はもちろん、関連する対話さえ全面拒否している北朝鮮に対する警告状として解釈される。外交筋では米国がアメだけでは北朝鮮を対話のテーブルに再び引き出すことができないと判断し、鞭を併用する戦略に転換したとの分析が出ている。対話の扉は開いておきつつ、同時に不法な外貨獲得の通路を一つずつ遮断して北朝鮮が耐えられなくなるようにする戦略だ。

















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