
中国の習近平国家主席は1日、韓国の国立慶州博物館で李在明(イ・ジェミョン)大統領と首脳会談を行い、韓中関係を戦略的パートナーとして格上げするための4つの方策を提示した。
新華社通信によると、習主席がこの日、李在明大統領に「中国と韓国は切り離せない重要な隣国であり、分離できない協力パートナーだ」とし、「国交が樹立した33年の間、社会制度と理念の違いを超えて様々な分野で交流と協力を活発に行い、相互の成果と共に繁栄を実現してきた」と強調した。
習主席は「韓中関係の健全で安定した発展は両国民の根本利益に合致し、時代の流れに沿った正しい選択だ」とし、「中国は韓国に対する政策の一貫性と安定性を維持し、対話を強化し、協力を深化させて共同利益を拡大し、課題に共に対応する」と述べた。
そのうえで、習主席は韓中関係の新たな局面を開拓するための4つの提案を行った。
まず、戦略的な対話を強化し、信頼基盤を固めるべきだと述べた。長期的な視点で両国関係を見つめ、相互尊重のもとで共同発展を推進すべきだという点を指摘。
社会制度と発展経路の違いを尊重しつつも、協力と共生を実現し、核心的利益と重大な関心事を相互に配慮しながら、対立と相違を友好的な協議を通じて解決していくべきだと強調した。
特に両国間の既存の対話チャンネルと交流メカニズムを戦略的に活用し、関係発展のための力を結集すべきだと主張した。
次に、互恵的な協力を深化させ、新興分野での経済・技術協力を拡大すべきだと要請。
習主席は「隣国の成果は、すなわち自国の成果だ」とし、両国が共生の原則に基づいて協力すべきだと述べた。
具体的には、韓中自由貿易協定(FTA)の第2段階交渉を加速し、人工知能(AI)・バイオ製薬・グリーン産業・シルバー経済など新興産業分野における協力の潜在能力を深く探求することを提案した。
また、オンラインカジノや電気通信詐欺(フィッシング)など、両国民の生命・財産に影響を与える犯罪への対応でも両国の協力が重要だと述べた。
次に、国民感情を改善し、民心の交流を強化すべきだと述べた。習主席は世論と国民感情を向上させ、ポジティブな情報発信を通じてネガティブな流れを抑制すべきだと指摘した。
青少年、メディア、知識人と地方政府間の人的交流を拡大し、人文交流プログラムを活性化させ、両国民の相互理解と心のつながりを促進する必要があると述べた。
最後に、多国間協力を強化し、平和的発展の基調を維持すべきだと提案した。
中国側は韓国が成功裏に開催したAPEC首脳会議を高く評価し、これを契機にアジア・太平洋自由貿易地域(FTAAP)の推進と地域経済統合及びアジア太平洋共同体の構築をさらに本格化させると習主席は述べた。
両国は真の多国間主義を実現し、多国間貿易体制を守り、国際ガバナンスがより公正で合理的な方向に進むべきだという点で意見が一致した。
習主席はまた、中国共産党第20期中央委員会第4回全体会議(4中全会)で「第15次五カ年計画」が採択されたことに言及し、「中国経済は基盤が堅固で利点が多く、回復力と潜在力が大きい。長期的にポジティブな傾向は変わらない」と説明した。
続いて習主席は「中国は高水準の対外開放を拡大し、世界とより多くの発展機会を共有する」と述べた。
新華社通信の報道によると、李在明大統領は習主席の訪問を11年ぶりの国賓訪問と評価し「韓中は隣国であり、切り離せないパートナーだ。韓国は中国との友好協力関係をさらに深めていく」と決意表明した。
また、李大統領は「韓中両国は高官級交流を強化し、政党・地方政府間の対話も拡大していくべきだ」とし、中国の「第15次五カ年計画」に合わせて産業サプライチェーンの安定化と相互の互恵的協力を推進する意志を表明した。
韓国側の発表によると、両首脳は国立慶州博物館で1時間20分にわたり会談を行った。両国の首脳は朝鮮半島の非核化と平和実現の方策、韓中間の民生経済協力強化の方策についても意見を交わした。
会談後、両首脳は経済・金融・農業・法執行・科学技術などの分野での協力合意文書の交換を共に見守った。
その後、夕方には李大統領が習主席のために歓迎晩餐会を開き、中国側からは蔡奇共産党中央政治局常務委員・中央書記処書記、王毅中国外相、鄭柵潔国家発展改革委員会主任、王文濤商務部長、藍仏安財政部長などが出席した。
両国は今回の首脳会談を通じて関係正常化及び戦略的パートナーシップへの転換のための基盤を整え、今後実質的な協力拡大と多国間外交協力強化に本格的に取り組み始めるようだと国営メディアは指摘した。
            












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