
米国と中国は10日(現地時間)午前0時1分から、相互に課してきた報復関税の適用を1年間猶予することで合意した。
Newsisによると、ドナルド・トランプ米大統領は今月4日「米中経済通商協定に基づく相互関税率の修正」に関する大統領令に署名した。これは、先月30日に韓国で行われたトランプ大統領と中国の習近平国家主席による首脳会談の合意内容を反映したものだ。中国国務院関税税則委員会も5日、報復関税を1年間猶予するとの公告を発表していた。
今回の合意により、中国はレアアースをはじめとする鉱物資源の輸出統制を1年間猶予し、米半導体企業への報復措置を撤回するほか、米国産大豆など農産物の輸入拡大や米農産物への関税猶予を約束した。米国はこれに対し、中国に課していたフェンタニル関連製品への20%の関税を10%に引き下げる方針を示した。
トランプ大統領は今年4月、中国製品に対し34%の相互関税を予告したが、中国が報復措置を取ったことを受け、追加で91%の関税を課していた。その後の協議を経て、10%の相互関税を除く115%分の追加関税を一時的に猶予することで合意した。
現在、米国の対中平均関税率は約45%で、既存の25%関税に10%の相互関税、10%のフェンタニル関税が上乗せされている構成となっている。
中国も今回の合意に基づき、米国産製品に課していた24%の報復関税を1年間猶予し、既存の10%の対米関税を維持することを決めた。
合意発効を受け、中国側も同日から具体的な履行に動き出した。
中国は米国船舶に対する特別港湾料金の徴収も10日午後1時1分(現地時間)から1年間停止した。
また、米国などに対するフェンタニル輸出の管理を強化し、米国への合成麻薬流入を防ぐための協力措置も開始した。
商務部は同日「特定国(地域)向け前駆体化学物質管理リスト」および「特定国(地域)リスト」の調整を公表し、米国・メキシコ・カナダを輸出許可対象に追加した。
前駆体化学物質は、合成麻薬フェンタニルの製造に使われる原料であり、輸出許可制の導入は米国内への流入を防止する狙いがあるとみられる。
このほか、レアアースの輸出統制や農産物輸入の制限など、これまでの対抗措置も順次解除された。8日から発効予定だった一部の中希土類および関連原材料、技術、リチウム電池素材、超硬質原材料などに対する輸出統制措置は、来年11月10日まで猶予されることになった。
また、鶏肉・小麦・トウモロコシ・綿花など米国産農水畜産品29品目に課していた15%の関税と、ソルガム・大豆・豚肉・牛肉・水産物・果物・野菜・乳製品など711品目に課していた10%の関税も、同日から停止された。
米国産大豆や原木の輸入制限も解除されたほか、米中の貿易摩擦の中で中国が実施していた輸出統制や「信頼できない企業リスト」への追加指定など、米防衛産業関連企業への制裁措置も1年間中断される。

















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