オーストラリアの防衛企業EOS(Electro Optic Systems)が、最近世界で最も安価な高出力レーザー兵器「アポロ(Apollo)」を発表し注目を集めていると、科学専門メディア・インタレスティングエンジニアリングが最近報じた。
アポロは最大150kW級出力のモジュール式レーザーシステムで、弾丸を使わず外部電力網を必要とせずバッテリー1回の充電で最大200機のドローンを破壊できると同社は述べた。このシステムは最大約3.2km離れたドローンを無力化し、最大14km離れた場所から敵の光学センサーを無力化できるという。

EOSによれば、アポロは当該出力クラスの戦闘用レーザーとして世界初の商用化製品であり、すでにNATO加盟国の一部に輸出されている。価格は訓練および予備部品を含め約8,300万ドル(約127億9,752万1,000円)程度と伝えられている。
EOS最高経営責任者(CEO)アンドレアス・シューバー博士は「EOSはドローン群による攻撃を費用対効果高く防御する必要がある差し迫った市場需要と、新たに台頭する戦略的要請を満たすために高出力レーザー兵器を開発してきた」と述べ、「高出力レーザー兵器への国際的関心が高まっており、このシステムが対ドローン防御において重要な役割を果たすだろう」と語った。
■ 機動性と自律性が強み…小型コンテナに搭載可能

アポロの主な利点は機動性と自律性である。武器システム全体は標準の6mコンテナに収容可能で、内部電源装置を用いて外部電力なしでも稼働できる。バッテリーのみで200回以上の任務を遂行でき、数秒でドローンを空中から排除できると同社は説明している。
外部電源に接続すればシステムは連続運用が可能となり、監視・偵察用の中小型ドローンを長時間にわたり探知・交戦できる。
レーザー兵器はドローン脅威に対する効率的な防御手段として注目を集めている。ドローンは比較的安価で小型かつ探知が困難である一方、レーザーは光速で標的を制圧でき、コストも低いという利点がある。
アポロはこうした点を狙い、群れを成すドローンを迅速かつ低コストで無力化するよう設計された。また、敵の光学・偵察システムを麻痺させ、敵の監視網自体を無力化することもできる。
アポロの公開は、EOSが今年8月にヨーロッパのあるNATO加盟国と世界初の100kW級高エネルギーレーザー兵器の輸出契約を締結したことに続く、もう一つのマイルストーンと評価されている。
同メディアは「今後はミサイルではなくレーザーが空を舞台にした戦闘の中心になり得る」とし、アポロのような高出力レーザーシステムが将来の戦場に与える影響に注目した。














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