
米ホワイトハウスは12日(現地時間)、政府閉鎖が長期化するなか、10月分の米国の労働市場や物価に関する主要な政府報告書が発表されない可能性が高いと明らかにした。
カロライン・リービット米大統領報道官は同日の記者会見で、「今回の政府閉鎖によって、経済学者や投資家、連邦準備制度(FRB)の政策担当者が重要な政府データを入手することが極めて困難になった」と述べ、「経済データ全体が恒久的に損なわれ、FRBは重要な局面で『目隠しをしたまま』政策運営を余儀なくされる」と警告した。
10月1日から続く今回の政府閉鎖は、すでに約6週間に及ぶ史上最長の期間となっており、ウォール街や政策当局が依拠する政府統計の提供を事実上停止させている。
リービット報道官はこれまでにも、10月の消費者物価指数(CPI)が公表されない可能性を示唆していたが、この日の発言では、雇用統計も同様に欠落する恐れがあると付け加えた。
米労働統計局(BLS)は、政府閉鎖によって遅延している経済指標の発表スケジュールや、どの報告書が影響を受けるかについて、いまだ明らかにしていない。
BLSは閉鎖の解除後、9月分の雇用統計を速やかに公表するとみられている。このデータは10月1日以前に収集されたもので、当初は10月3日に発表する予定だった。10月分の統計は閉鎖の影響でデータ収集を行えず、発表が難しくなる見通しである。
月次の雇用統計は現在、市場で最も注目度の高い経済指標の一つである。FRBは雇用の鈍化を踏まえ、9月から始まった利下げ路線を維持するか、それとも依然として高水準にあるインフレを考慮してペース調整に踏み切るか、判断を迫られている。
こうしたなか、政府データの空白を受けて、専門家らは民間機関による報告や推計値をもとに動向を分析している。これらの資料は米国内での採用活動の鈍化や、一部企業による数万人規模の人員削減の可能性を示唆している。
BLSが最後に公表した8月の公式データによると、失業率は4.3%で、雇用者数は2万2,000人増加した。これも年初以降、雇用拡大のペースが鈍化している傾向を裏付けている。
物価面でも政府データの欠如が深刻化している。トランプ大統領が今夏に解任したBLS前局長のエリカ・マッケンターファー氏は、SNS上で「11月中旬にコストコへ行って10月の価格を確認することはできない」と皮肉を交えつつ、「10月の物価報告は不可能だ」と投稿した。
今回のリービット報道官の発言は、BLSが縮小した標本でも10月のCPIを公表する方法を見いだすだろうとみていた市場関係者の予想を覆すものとなった。
調査会社インフレーション・インサイツ(Inflation Insights)のオマイル・シャリフ氏は以前、「BLSは、たとえ小規模なサンプルであっても10月のCPIを公表するためにあらゆる努力を尽くすはずだ」と述べていた。















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