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「日本へ行くな!」中国の超強硬措置 → 政府、外務省局長を緊急派遣…“手が付けられない対立”の行方は?

有馬侑之介 アクセス  

「日本へ行くな」中国が強硬姿勢…日本、外務省局長を急派

高市首相の「台湾有事に集団的自衛権行使」発言に中国が強く反発

留学・観光の自粛要請に加え、尖閣周辺へ中国海警局船も派遣

日本「対抗措置の応酬」回避へ対話模索…「人的交流に影響あってはならない」

高市首相の発言撤回は困難…日中対立の長期化懸念

引用:AP通信、AFP通信
引用:AP通信、AFP通信

台湾有事の際に日本が集団的自衛権を行使できるとの政府の立場をめぐり、日本と中国間の緊張が高まる中、中国が旅行・留学など民間レベルの交流まで制限する強硬措置に踏み切っている。両国はまず緊張緩和が必要だとの認識のもと、対話のチャンネルを開いた。

日本は17日、外務省の担当局長を中国に急派した。NHKによると、金井正彰外務省アジア大洋州局長が同日から中国を訪問している。金井局長は、劉勁松・中国外務省アジア局長らと会談する見通しだ。会談では、高市早苗首相の発言が政府の従来の立場を変更したものではないことを説明するとともに、両国の立場に違いがあっても人的交流に影響を及ぼしてはならないとの日本側の考えを伝える方向だと報じられている。

これは、高市首相が「台湾有事では日本の集団的自衛権行使が可能」と述べたことに対し、中国が対抗措置として事実上「日本行き中断」を呼びかけ、関係悪化が進むのを抑える狙いがある。

中国教育省は16日(現地時間)、学生に対し「日本国内の治安が不安定化しており、中国人を狙った犯罪が増加し、現地での危険が高まっている」として、日本留学を慎重に検討するよう勧告した。同日、中国文化・観光部も中国人観光客に当面の日本訪問を控えるよう呼びかけた。香港保安局も「日本で中国籍住民への攻撃が増えている」とし、日本に滞在する香港住民に「最大限の注意と自身の安全確保」を求めた。

これは14日に中国外務省が日本への「短期旅行を控えるよう」注意喚起を出したことに続く措置だ。これを受け、航空会社も日本行き航空券の無料払い戻しに応じると発表した。16日時点で、中国国際航空、中国南方航空、中国東方航空など7社が、12月31日までの日本行き航空便について手数料なしの全額払い戻し、または1回の変更を受け付けるとしている。

民間交流を事実上遮断するこれらの措置は新たな摩擦も招いている。日本側では最大の外国人旅行者・留学生供給国である中国からの流入が止まる可能性を懸念している。日本学生支援機構によれば、昨年5月時点で日本の留学生のうち中国人が37%を占め、最も多かったという。中国は日本の主要な外国人観光客供給国でもあり、今年1月から9月に日本を訪れた中国人旅行者は748万人に達している。

これについて、政府の菅原稔官房長官は15日、政府が中国外務省に抗議し「適切な対応」を取るよう強く求めたと明らかにした。さらに「双方の認識には相違があり、その違いがむしろ継続的な対話を重要にしている」と述べ、対話の継続を求めた。

日中両国は外交戦・世論戦も続けている。16日には、中国海警局の船隊が領有権争いが続く尖閣諸島周辺海域を航行した。中国海警局は「法に基づく権益保護の巡航だ」と主張したが、実質的には日本への牽制と警告とみられる。同海域は両国が領有権を主張するが、現在は日本が実効支配している。中国は13日、金杉憲治駐中国日本大使を呼び出し、高市首相の発言に抗議した。これに対し、日本も14日に呉江浩駐日中国大使を呼び出している。

中国は国営メディアも総動員して世論戦を展開。国営紙チャイナデイリーは15日の論評で、高市首相の発言は「90年以上前の日本の中国侵略時の口実と類似している」と批判した。人中国軍機関紙の解放軍報も16日「日本が台湾海峡に軍事介入すれば、日本全土を戦場にするリスクを負うことになる」と警告した。

政府・与党は当面、緊張を抑制する姿勢をみせている。外務省幹部は朝日新聞に「いまは冷却期間が必要だという認識が強い」と述べ、別の政府関係者も「慎重かつ粘り強く推移を見守る」と語った。

しかし、事態収拾の糸口は見えにくく、高市首相の発言撤回は見込み薄だ。高市首相はすでに「撤回しない」と明言している。読売新聞は「発言を撤回すれば支持層の理解を得にくく、中国が追加要求に出る可能性もある」と分析し、首脳会談での解決も難しいとの見方を示している。

国際関係の専門家は今回の事態について「高市首相の無理な発言が不要な緊張を招いた」と指摘する。京都龍谷大学の松島泰勝教授は環球時報に対し「高市首相の誤った発言は偶発的なものではなく、日本で歴史修正主義が再び頭をもたげている証左だ」と述べ「右翼勢力が政策を主導すれば日本は危険な崖っぷちに追い込まれる」と警告した。法政大学の白鳥浩教授も「一部政治家が台湾問題を保守層の支持獲得に利用している」とし「この流れが続けばアジア各国は日本の軍備増強や防衛費の拡大に強い反発を覚え、日本製品の不買運動などにつながる恐れもある」と述べた。

国内外の懸念にもかかわらず、高市首相の強硬姿勢は当面続くと予想される。高市首相の国内支持は高く、朝日新聞が15日から16日に18歳以上の1,215人を対象に電話世論調査を実施した結果「高市首相を支持する」と回答した割合は69%に上った。

また、日本国内の対中感情も良好とは言えない。朝日新聞の調査で日中関係改善への期待を問うと「期待できる」が43%「期待できない」が44%と意見が割れた。日中関係改善を期待できないと答えた層の内閣支持率は53%と、全体より低くなった。朝日新聞は「日中関係をめぐる高市首相の対応が内閣支持率に影響を与える可能性がある」と分析している。

有馬侑之介
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