
米国とウクライナが「平和フレームワーク」を整えた。米国のドナルド・トランプ大統領が示した最終期限(感謝祭、11月27日)まで交渉が急ピッチで進んでいるが、安全保障問題はなお議論が必要で、ロシアの同意も得なければならず、道のりは遠いとの指摘がある。
米国とウクライナは23日(現地時間)にスイス・ジュネーヴで会合した後、戦争を終結させるための「平和フレームワーク」を整えたと共同声明で明らかにした。両国は声明で、今回の会談は建設的で集中的、相互尊重の雰囲気の中で進行され、正義で持続可能な平和達成に対する双方の共同意志を確認したと述べた。また今回の協議が非常に生産的だったという点で意見が一致し、双方の立場を調整し明確な今後の措置を導き出す上で意味のある進展があったと評価した。さらにいかなる今後の合意もウクライナの主権を完全に保障し、持続可能で公正な平和を担保しなければならないという点を再確認したと付け加えた。
米国のマルコ・ルビオ国務長官は記者会見で「我々は驚くべき進展を遂げた」とし、「計画の核心事項を絞り込もうとし、今日その目標を達成した」と明かした。ウクライナのアンドリー・イェルマーク大統領府長官も中間ブリーフィングで「初会議が非常に生産的だった」とし、「我々は公正で持続的な平和に向かって進んでいる」と述べた。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領もTelegramを通じて「多くの変化がある」とし、「重要なのは米国代表団との対話が進行中であり、トランプ大統領のチームが我々の声を聞いているという信号があるという点だ」と強調した。そして「我々は決して平和の障害にならない」と力説した。
ただし、ウクライナの安全保障については更なる議論が必要と推測される。ルビオ長官は「まだ解決すべき課題が残っている」とし、「欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)の役割に関するいくつかの未解決問題がある」と説明した。またウクライナの安全保障問題も議論が必要な事項だと述べた。
さらに木曜日(27日、感謝祭)まで合意に達することを希望しているが、より長い時間がかかる可能性があると示唆したとロイター通信は伝えた。交渉結果のブリーフィングの前に、トランプ大統領と外交問題で対立していたマイケル・マッコール下院議員(共和党、テキサス州)は「ジュネーヴで米・ウクライナは、80%ほど合意に達するだろう」とし、「問題は、交渉が困難な20%の案件にある」と分析した。
ウクライナの平和交渉は米国が28項目からなる平和構想を整えながら揺れ動いている。トランプ大統領はゼレンスキー大統領が国内で側近の汚職により支持基盤が揺らいでいるとして、ロシアに有利な平和構想を受け入れるよう圧力をかけた。草案にはウクライナが東部ドンバス(ドネツク、ルハーンシク)地域全体をロシアに譲渡し、ウクライナ軍も60万人に縮小するという内容が含まれている。ウクライナのNATO加盟は禁じられるが、NATOと類似した米国と欧州の「集団防衛」方式の安全保障装置を設けるという内容が含まれている。
これに関連して、ロイター通信はゼレンスキー大統領が今週初め米国を訪れ、トランプ大統領と領土問題など最も敏感な事項を議論する方針を調整中だと報じた。
この日、トランプ大統領はゼレンスキー大統領への圧力を続けた。彼はSNSの「トゥルース・ソーシャル」に「ウクライナのリーダーシップは我々の努力に感謝の意を全く表さず、欧州は引き続きロシアの原油を買っている」と書いた。ロシアに対する批判はしなかった。これに対し、ゼレンスキー大統領はSNSの「X(旧Twitter)」に「ウクライナ国民の命を救ってくれた米国の支援とすべての米国人、トランプ大統領に個人的に感謝する」と書いた。
こうした中、欧州は平和構想について独自の案を出したとロイター通信が伝えた。それによると、欧州はウクライナ軍を平時80万人に維持することを提案し、領土交換交渉も現在の接触線を基準に始めようと提案したという。ポーランドにNATO戦闘機を配備し、ウクライナがNATOに加盟しない代わりにNATO集団防衛と同等の米国の安全保障を要求した。
一方、トランプ大統領は平和構想がロシアの立場を過度に反映したものだとして、共和党内部からも非難を浴びている。22日にカナダで開かれた会議で米上院議員グループはルビオ長官と通話し、平和構想が米国主導のものでないと報じた。無所属のアンガス・キング上院議員(メイン州)は「ルビオ長官によれば、この計画は米政府の立場ではないという。事実上ロシアの希望に過ぎない」と述べた。論争が大きくなると、ルビオ長官はXに「平和提案は米国が作成した」と釈明に乗り出した。















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