8月の米ロ・アラスカ首脳会談合意を改めて強調
「合意の文言と精神が消されれば状況は変わる」

ロシアは25日(現地時間)、ウクライナ戦争の終結計画をめぐり、米露首脳間で合意された核心内容が文書から外れた場合、受け入れに応じない可能性を示唆した。
セルゲイ・ラブロフ外相は同日、モスクワで開かれた記者会見で「ドナルド・トランプ大統領の和平案を前向きに評価してきたのは、米露アンカレッジ首脳会談で得られた相互理解に基づく」と述べ、「文書からアンカレッジ合意の文言や精神が消されるなら状況は変わってくる」と強調した。
アンカレッジ会談は、8月15日にアラスカで行われたトランプ大統領とウラジーミル・プーチン露大統領の首脳会談を指す。クレムリンのユーリー・ウシャコフ外交政策補佐官は24日、この合意を土台にしたとみられる「28項目の和平案」について、「相当部分が受け入れ可能に見える」との見解を示していた。
しかし、米国が23日にスイス・ジュネーブでウクライナ側と協議した後、和平案が28項目から19項目に縮小され、領土問題や北大西洋条約機構(NATO)加盟といった核心争点が首脳間の判断に委ねられたと伝えられたことから、ロシア側は警戒感を強めたとみられる。
ラブロフ外相は、トランプ大統領の28項目和平案を「非公式ルート」で受け取ったと説明し、報道に出ている米ウクライナ間の別案については「米国から正式に受け取っていない」と語った。
さらに「ロシアは、米国がウクライナや欧州側と合意に達するのを待っている。その文案について議論する用意はある」と述べ、「米国が交渉を急いでいるとは見ていない。ウクライナ政権や欧州と協議を終えた後で連絡が来るだろう」との見通しも示した。
その一方で、欧州に対しては厳しい批判を展開した。「欧州は2014年以降、ウクライナ紛争解決に関わる機会を持ちながら、あらゆる面で失敗してきた」としたうえで、「問題に進展が見られるたびに妨害し、今やトランプ大統領の和平案まで歪めている」と主張した。
また「欧州はウクライナ政権のナチ的・人種主義的行為を助長しており、自らの本質をさらけ出している」とも発言し、「国内の経済・社会政策の失敗から国民の目をそらすため、ウクライナ問題を利用している」と批判を強めた。さらに「ウクライナ問題が永遠には続かないと認識し始め、その後の局面を考えだしている」とも述べた。
ラブロフ外相は、終戦後に西側が「安心軍(reassurance force)」を派遣する可能性に言及したエマニュエル・マクロン仏大統領の発言についても、「現実離れした話にすぎず、夢物語だ」と一蹴した。
あわせて、ベラルーシについては「ウクライナ紛争解決の過程で重要な役割を果たしてきた」と評価し、「ロシアはウクライナ問題に関し、ベラルーシの利益を十分に考慮しつつ、国際舞台での同盟関係に基づく協力を強めていく」と強調した。
一方、トランプ大統領はロシア・ウクライナ戦争の終結に向け、交渉を加速させている。米国は23日にジュネーブでウクライナと会談し、25日にはアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビでロシア側とも協議を行った。
さらにトランプ大統領は、ダン・ドリスコル陸軍長官をウクライナに、スティーブ・ウィトコフ中東特使をロシアに派遣し、交渉継続を指示した。
















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