英国国防省が、大型レーザー兵器を用いて時速650キロで飛行するドローンの命中に成功したと、米テックメディアFuturismをはじめとする海外メディアが23日(現地時間)に報じた。
報道によれば、英国国防省は最近、スコットランドのヘブリディーズ射場で高出力レーザー兵器『DragonFire』の試験を実施した。国防省は、今回の試験で「フォーミュラ1の最高速度の約2倍にあたる時速650キロで飛行する高速ドローンの撃墜に成功した」と説明している。

英国の防衛専門メディア『Defence Journal』のXアカウントに投稿された映像には、欧州防衛企業MDBAが開発したレーザー技術が英国海軍の艦艇に搭載され、敵ドローンを探知・追跡し、破壊する様子が収められている。映像の中で英国国防省は、「極めて高い精度を持ち、1キロ離れた距離から1ポンド硬貨を狙うことも可能だ」と述べている。
この高出力レーザーシステムが注目される理由のひとつとして、圧倒的に低い運用コストが挙げられる。関係者によれば、『DragonFire』の1回の発射コストはわずか10ポンドだという。一方、米国では低価格ドローンを迎撃するためのミサイル調達に約10億ドル(約1,500億円)、1発あたり最大210万ドル(約3億1,500万円)を投入してきたとFuturismは伝えている。

こうした高い効率性を背景に、英国国防省はMDBAと約4億1,370万ドル(約620億円)規模の契約を締結した。この契約により、英国海軍は艦艇に搭載する『DragonFire』レーザーの生産と納品を受けることが可能になる。
これまでにもドローンなどの飛行物体を撃墜するための戦闘用レーザー研究は行われてきたが、信頼性の低さや運用の複雑さが課題とされていた。しかし近年、工学技術の飛躍的な発展によって防衛用レーザーははるかに強固かつ強力なシステムへと進化し、実戦投入に耐え得る段階に到達している。
特にロシアとウクライナの戦争は、ドローンの軍事的活用度を大きく押し上げた。ドローンは安価で入手しやすい上、爆弾投下から暗殺に至るまで多様な作戦に対応できるため、各国の防衛戦略を一段と複雑にしている。
これまで兵士たちはドローンを無力化するためにネットガンなど比較的単純な手段を用いてきたが、強力なレーザービームは戦場の構図を根本から変え得る「ゲームチェンジャー」になり得ると海外メディアは指摘している。













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