米国、ベネズエラへの圧力を一段と強化
トランプ大統領「直ちに辞任し亡命せよ」
マドゥロ大統領、提案拒否し全面的な恩赦を要求

ドナルド・トランプ米大統領が、軍事的圧力を強めるニコラス・マドゥロ・ベネズエラ大統領に対し「直ちに辞任し亡命せよ」と迫る最後通牒を送っていたことが、米メディアの報道で明らかになった。しかし、マドゥロ大統領がこれを拒否したため、トランプ大統領が地上軍投入を含む軍事作戦に踏み切る可能性が一段と高まったとの懸念も出ている。
米紙「マイアミ・ヘラルド」は匿名の関係者の話として、先週のトランプ大統領とマドゥロ大統領の電話会談でこの最後通牒が伝えられたと報じた。米側は、マドゥロ大統領と側近らがただちに辞任して国外に退避する場合、本人と家族の安全な出国を保証すると提案したという。
しかしマドゥロ大統領はこの提案を拒否した。自身と側近らが犯した罪について、世界のどこでも処罰されない「全面的な恩赦」を求めたうえ、野党が参加できる自由選挙の実施には応じる姿勢を示しつつも、軍部の統制権は手放さないと主張したとされる。米側はこの逆提案を退け、協議は事実上決裂した。トランプ大統領はその後、ワシントンD.C.へ向かう専用機内で記者団に対しマドゥロ大統領と通話したことは認めつつ、内容には口を閉ざした。
米国は9月以降、カリブ海などで麻薬密輸が疑われるベネズエラ船舶を相次いで攻撃し、少なくとも80人が死亡したとみられる。さらに米政府はマドゥロ大統領を「麻薬テロ組織の首謀者」と名指しし、ベネズエラ周辺海域には原子力空母「ジェラルド・R・フォード」打撃群を展開するなど、軍事的圧力を一段と強めてきた。トランプ大統領は11月29日には自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で「ベネズエラ上空と周辺空域全体を閉鎖されたものとして扱え」と発言し、軍事行動が差し迫っているとの見方を広げた。
一方、トランプ大統領は自ら主導するウクライナ戦争の停戦交渉について「合意に至る可能性が高い」と述べた。米国とウクライナの高官級代表団は同日、フロリダ州でゼレンスキー大統領の今後の進退と連動する可能性のある選挙日程などを協議したとされる。双方は協議を「生産的」と評価したものの、最大の争点である領土問題では依然隔たりが残っている模様だ。
こうした中、ロシア大統領府はウラジーミル・プーチン大統領が12月2日にモスクワでスティーブ・ウィトコフ米大統領特使と会談すると発表した。今回の協議結果を踏まえ、本格的な意見交換が行われる見通しで、停戦交渉の行方を占う重要な局面になるとの見方も出ている。















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