
ロシアの最新鋭・極超音速の中距離ミサイル「オレシュニク」(Oreshnik)が、ベラルーシに配備されたと伝えられている。18日(現地時間)、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は「昨日からオレシュニクがベラルーシに到着し、今後は戦闘任務に投入される」と明らかにした。オレシュニクがベラルーシ領内に実戦配備されたことを示唆した格好だが、配備数や詳細は公表していない。
ロシアの主要同盟国であるベラルーシにオレシュニクを配備する方針は、8月1日にウラジーミル・プーチン大統領が言及していた。記者団の取材に対し「オレシュニクを初めて量産し、すでに軍に引き渡した。年末には同盟国ベラルーシに配備する計画だ」と述べていた。

西側が警戒を強めるオレシュニクは、ロシアが開発した新型の極超音速・中距離弾道ミサイル(IRBM)とされる。名称は「ハシバミ(ヘーゼル)」を意味し、1発のミサイルから複数の弾頭が分離して各目標へ向かい、大気圏へ再突入する仕組みだという。昨年11月21日には、ロシアがウクライナのドニプロ市にある軍事産業団地の施設に向けて、このミサイルを初めて発射した。複数の弾頭が放つ強い光が上空から降り注ぎ、着弾と同時に大きな爆発が起きたと伝えられている。

欧州に加え米国もオレシュニクに神経をとがらせるのは、射程が最大5,000キロに達し、ロシアから欧州はもちろん、米西部まで攻撃できる可能性があるためだ。専門家の間では、核弾頭を複数搭載し、複数目標を同時に攻撃できるとの見方も出ている。これに対しロシア側は、複数弾頭がマッハ10に達して迎撃は不可能だとした上で、ポーランドの空軍基地まで11分、ベルギー・ブリュッセルの北大西洋条約機構(NATO)本部まで17分で到達し得ると主張している。さらに、目標に命中するまで核弾頭か通常弾頭かを判別する手立てがない点も、不安を増幅させている。

一方で、オレシュニクは既存のRS-26「ルーベジ」ミサイルの改良型にすぎない、精度に課題がある、実戦使用が1度しかない――といった点を挙げ、ロシアが能力を誇張し、西側やウクライナに対する心理的圧力として利用しているとの指摘もある。実際、ウクライナ対外情報庁は13日、ロシアが欧州への圧力手段としてベラルーシへの配備準備を進めているとし、配備によって欧州主要都市までの飛行時間が短縮されるとの見方を示していた。
















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